リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
「思っていた以上に酷い」バルサの“財政事情” 年俸50%減のメッシと再契約の裏で非情な人員整理が加速、グリーズマンも?
posted2021/07/20 17:01
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
スペイン時間7月14日13時過ぎ、ようやく「メッシとバルサが再契約に合意した」と報じられた。カタルーニャ紙『レスポルティウ』のスクープである。
両者の交渉が始まったのは4月下旬のこと。
「メッシを引き留めるために、できることはすべてやる」
そう公言していたラポルタ会長は、代理人であるメッシの父親と会合の場を設け、強いチームを作ると約束したうえで次の3段階に分かれた10年契約を提案したという。
・2022年のカタールワールドカップに万全の状態で出場できるように、2022-23シーズンまではバルセロナでプレーする。
・その後2年はMLSのインテル・マイアミで、バルサの親善大使を兼ねてプレーする。
・引退後はバルサに戻り、クラブのサッカー部門に何らかの形で関わる。
アグエロの獲得はメッシに対する配慮
MLS行きは突飛な話に思えるが、昨年末に受けたインタビューでメッシは「アメリカで暮らし、MLSでプレーしてみたいと昔から思っていた」と語っており、すでにマイアミにコンドミニアムを所有している。バルサにとってはアメリカでのメッシの肖像使用料収入と新たなスポンサー獲得が見込める契約と言える。
メッシ側はこの提案に好反応を示し、クラブの財政事情を汲んで、年俸の50%減をのむつもりでいることを伝えたそうだ。
そして5月末には、10年契約が正式にオファーされたと報じられた。
その直後、バルサは33歳になるアグエロの入団を発表した。実力あるストライカーかつ移籍金ゼロとはいえ、チームを若返らす方針から完全に外れているが(昨年バルサは当時33歳のルイス・スアレスに退団を強いている)、メッシと彼の仲を考えれば、クラブ側の配慮として腑に落ちる。