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《女子バレー》竹下佳江が分析する中田ジャパン「木村沙織のような絶対的な存在は…」カギは20歳セッターと“3人”の粘り 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2021/07/21 11:02

《女子バレー》竹下佳江が分析する中田ジャパン「木村沙織のような絶対的な存在は…」カギは20歳セッターと“3人”の粘り<Number Web> photograph by FIVB

若手が主軸を担う女子日本代表。2012年ロンドン五輪以来となるメダル獲得を目指す

 2016年リオデジャネイロ五輪まで4大会連続で五輪に出場し、ロンドン五輪で竹下さんとともに銅メダルを獲得した木村沙織さんは、やはり特別なエースだったのか。

「全然違う選手たちだし、私は沙織としか一緒にやっていないので、比べることはできませんが、ただ、ああいう選手はあんまり出てこないのかなとも思います。沙織は、考えてなさそうに見えて、すごく考えている。だからあそこまで行ったんだろうなと。でも3人は若いから、これからもっともっと成長して、特別な存在になっていくんじゃないかなと思います」

キャプテン荒木へ期待すること

 そうした若い選手が主軸となる東京五輪メンバーの中で精神的な支柱となるのは、出産を経て現役に復帰し、今回が4度目の五輪出場となる36歳の主将・荒木絵里香だ。

 荒木とも長年共にプレーした竹下さんは、尊敬の念を込めてこう話す。

「もう率直に、たくましいなって思います。新たな風を吹き込んでくれた。子供を産んでから、復帰しようかどうしようかと迷うのではなく、確実に復帰を見据えてやってきているところは、バレー界に今までなかったこと。

 絵里香が『キャリアを犠牲にするのはどうなのか』といった内容を話している記事を読んだのですが、確かに今、私の周囲の方々も含め、改めて子供を産む女性のキャリアはいろんなものを犠牲にすることが多いなと感じていました。でも絵里香は、自分がここまでやると決めて、強い思いでやってきている。東京五輪はとにかく自分自身のすべてを出し切ってほしいですし、後悔がないように、思い切りやってほしいなと思います」

 そして、ロンドン五輪以来のメダルを目指す日本代表に向けて、最後にこうエールを送った。

「選手たちはこの1、2年、オリンピックが開催されるのかどうかというモヤモヤした中でずっと過ごしていたと思います。開催されても、制限があったり、見られ方もいろいろあるでしょう。でも試合を迎える時にはもうプレーに集中して、とにかく最高のパフォーマンスを見せることを一番に考えてほしい。テレビを通して観るみんながスポーツからもらうものもあると思うので、最後まで諦めない全力のプレーを見せて欲しいなと思います」

前編はこちら。関連記事からもご覧になれます>

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