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「うどん大盛にカツ丼+カツ丼」東京五輪エース上田綺世の“大食い伝説”…鹿島で磨き上げた動き出しで狙う金メダル【柴崎岳の衝撃】
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/06/25 17:03
エースとして鹿島アントラーズを牽引する存在に成長した上田綺世
6月23日、東京オリンピックのサッカー男子日本代表メンバーが発表された。
「2013年にオリンピックの東京開催が決まったとき、まだ僕は中学生でした。東京オリンピックなんて雲の上の話。あくまで他人事で、まったくもって自分が関わると思っていなかった」という。
オンラインで行われた会見で選出の感想を聞かれると、第一声に「ホッとした」と口にした。2017年12月に東京オリンピックに向けたチームが発足し、これまで約90名の選手が招集されてきた。その間、上田自身はアントラーズでのポジション争いと向き合ってきた。
スタメンとしてチームの武器になっていったのは、昨シーズン終盤の11月以降からで、決して順風満帆ではなかった。リーグ戦終盤の7試合で6ゴールと結果を残し、“上田がゴールを決めれば負けない”というイメージを着実に積み重ねてきた。最終節のセレッソ大阪戦では、アントラーズとしてACL出場権がかかるなか、終了間際にあと1点という場面で決め切れない。後半アディショナルタイムには自らヘディングシュートを放つもポストに当たり、直後に試合終了。両腕で頭を抱え、ピッチ上で涙した。
本メンバー発表の日までを、「すごく長かった」と振り返る。
「プロになってからも、何より自分がいるチームで活躍したかった。どうやってアントラーズで試合に出よう、どうやってアントラーズで活躍しよう。その先にオリンピックがあるものだと考えていたので。アントラーズで試合に出られないなか、どうやってさらに出場時間を延ばそうかと、もがいている時間がすごく長かった」
選ばれただけでは満足しない
今年は背番号36から、自身も望んだ18を背負い、クラブ創設30周年を戦うチームのエースとして期待を受けてスタート。東京オリンピック開催の1年後ろ倒しが、自身の成長と合致した側面も含め、風向きは今、上田のもとにある。
常に今以上を目指す。それが幼少期から変わらぬ姿勢だ。だからこそ、選ばれただけでは満足しない。
「メンバーには選ばれましたが、オリンピックで何ができるか、どういうプレーを見せられるか。それが一番重要だと考えています。選ばれたからには責任があるし、あくまで日本を背負う、オリンピックの日本代表として戦うとはどういうことなのか。そこをきちんと自覚してプレーできたらいいなと思います」
FWといえば、エゴイストのイメージがある。ただ上田にとっては、個人の結果だけで満足感を得られないと考える。
「チームとして金メダルを目指しているので、それに向かう1人として、自分の責任をまっとうしたい」
自身の満腹感はいらない。ササッと“チームのため”を言葉にして体現できるのが、上田綺世なのである。