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女子アナを辞めたJリーガーの妻…広瀬麻知子さんがあえて「サッカーに入り込まない」家庭空間で河井陽介と歩む理由〈インタビュー〉
posted2023/05/05 11:05
text by
間淳Jun Aida
photograph by
J.LEAGUE
電話やLINEでは時々やり取りしていたものの、直接会うのは3年ぶりだった。
河井麻知子さん。旧姓・広瀬麻知子さんは静岡朝日テレビの元アナウンサーで、サッカーJ2ファジアーノ岡山に所属するMF河井陽介選手の妻。バラエティ番組「ピエール瀧のしょんないTV」の司会として静岡県外でも知られる人気アナウンサーだった。
負けても、怪我をしても、明るく振る舞うように
自宅のある岡山市の待ち合わせ場所に現れた広瀬さんはテレビ局で活躍していた当時の雰囲気と同じだった。ただ、テレビ局を退社してからの3年間で生活は一変していた。2月に3歳になった長男と昨年8月に産まれた長女を育てる2児の母となり、1年前からは住み慣れた静岡市を離れて縁のなかった岡山市で暮らしている。
長男を妊娠して2019年12月に当時担当していた夕方のニュース番組を降板してから、月に1~2回Webサイト「静岡ライフ」で不定期にコラムを担当している以外、仕事はしていない。
今回の主な取材テーマが「サッカー選手の妻」と伝えると、「お話をいただけるのは嬉しいし光栄ですが、私で大丈夫ですか? サッカー選手の妻として見本となることは何もないと思います」と恐縮しきりだった。それでも、「何かのお役に立てるのであれば」と快諾してくれた。
2018年1月に河井選手と結婚した広瀬さんは、サッカー選手の妻になって5年が経つ。普段の雑談やサッカーの話題など夫と会話を重ねる中で、自分のスタンスや役割を決めていた。
「試合に負けても、怪我をしても、私は明るく振る舞うようにしています。一番悔しいのは本人なので一緒に落ち込むよりも、気持ちを切り替えるきっかけをつくれたらと思っています。サッカー選手の妻らしい日課と言えば、怪我をしないように毎日手を合わせて神頼みするくらいです」
「サッカーに関しては入り込まない」理由
広瀬さんは10年間のアナウンサー生活でバラエティ番組の司会、情報番組のMC、ニュースキャスターとあらゆるジャンルを経験した。唯一、縁がなかったのがスポーツ番組。静岡県のテレビ局に勤務していたため、清水エスパルスやジュビロ磐田の試合結果は気にかけていたが、オフサイドのルールが分からないくらいの関心度だった。
清水エスパルスでプレーしていた河井選手と交際してからサッカーを見る機会は増えた。専業主婦になって夫が所属するチームの試合はスポーツ専門の映像配信サービスで欠かさず観戦しているが、詳しく学ぼうとは思っていないという。