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「うどん大盛にカツ丼+カツ丼」東京五輪エース上田綺世の“大食い伝説”…鹿島で磨き上げた動き出しで狙う金メダル【柴崎岳の衝撃】
text by
池田博一Hirokazu Ikeda
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/06/25 17:03
エースとして鹿島アントラーズを牽引する存在に成長した上田綺世
これまで緻密な準備を重ねてきた。それも昨年11月までなかなかスタメンをつかみ切れず、試行錯誤していたのはつい最近のことだ。
アントラーズでイメージが合うパスの出し手として、白崎凌兵、荒木遼太郎らを挙げる。
「彼らはFWを務める僕にとって、ワクワクするプレーヤーです。特にタロウ(荒木)は“間接視野”がとても優れていて、目が合っていなくてもパスが出てくる。だから僕も、『タロウなら見えているだろう』と無茶な動きをすることもあります。
たとえば(永木)亮太くんであれば、ボールを持ったときにインサイドで一度さわってからアウトサイドで少し持ち出す印象があるので、アウトでさわる瞬間を見計らって動き出すようにしています。(ファン・)アラーノだったら、彼がボールを受けた2秒後にはパスが出てくるので、2、1とカウントダウンを始める前に、相手のマークを振り切るために膨らむような動きを始めます。『2』で膨らんで、『1』でパスが出てくる瞬間に、足もとでもらいたいのか、それとも相手DFの裏でもらいたいのかを自分から示すようにしています」
コパ・アメリカで経験した“衝撃”
2019年6月に行われた、上田自身「大きな分岐点になった」と語るコパ・アメリカで、大きな衝撃を受けた。
パスの出し手と受け手の関係性において、これまでは相手の特徴を知ることで自分が動きを合わせていく感覚だった。それがまったく逆の経験をした。
「日本代表として(柴崎)岳くんとピッチに立ったときは、すごく新鮮な感覚でした。初めて『動かされた』というか、『動き出さなければ』と思わされたんです。ボランチの選手からすれば、ここは見えていないだろうという位置に自分が立っていても、岳くんはワンタッチでボールを出してくる。僕としては“1本取られた”というか、一瞬のタイミングを見極めて自分が動き出せば必ず正確なパスが出てくる。やっていておもしろくて楽しい、初めての感覚を味わいました」
さまざまなタイプの出し手からパスを受けるなか、行き着いた境地があった。そのなかでも昔から大事にしてきたこだわりは変わらない。
「やはりポジショニングと一瞬の抜け出しが重要です。出し手が前を向いた瞬間、DFと横並びになっていては相手に対応されてしまう。相手DF1人に対して、こちらは出し手と受け手の2人。この数的優位な状況を生かして、より有利な状況に持ち込むため、僕は動き出す一瞬のタイミングを逃さないことを常に考えています」