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コパ・アメリカのとんでもないドタバタ劇…開幕2週間前に開催国変更、ネイマールらが“ボイコット寸前”【東京五輪に似ている?】
posted2021/06/16 11:01
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
REUTERS/AFLO
6月13日、ブラジルの首都ブラジリアでコパ・アメリカ(南米選手権)が開幕した。
その2日前に始まった欧州選手権は、各会場が1万人前後かそれ以上の観客を入れている。12日、デンマーク代表MFクリスティアン・エリクセン(インテル)が試合中に心臓発作を起こして倒れ、大騒ぎになったが、幸いにして一命を取り留め、通常の大会に近い盛り上がりをみせているようだ。一方、コパ・アメリカは全試合、無観客で行なわれる予定。寒々とした巨大なスタンドが、欧州選手権とコントラストを描く。
ネイマールは1得点1アシストの大活躍
セレソン(ブラジル代表)は、6月上旬の2022年ワールドカップ(W杯)南米予選2連戦(4日のエクアドル戦と8日のパラグアイ戦。いずれも2-0で快勝)とほぼ同じベストメンバー。一方、ベネズエラは大会直前に新型コロナウイルス陽性者が続出し、出場登録選手27人中、実に15人を新たに招集した。2022年W杯南米予選の8日のウルグアイ戦(0-0で引き分け)とは先発メンバーが7人も代わっていた。
南米予選で6戦全勝で首位を快走するブラジルと1勝1分4敗で参加10カ国中9位のベネズエラとでは、そもそも実力に差がある。ベネズエラは必死に抵抗したが、前半23分、ブラジルがFWネイマール(パリ・サンジェルマン)が蹴った左CKからのこぼれ球をCBマルキーニョス(パリ・サンジェルマン)が巧みに押し込んで先制。64分にネイマールがPKを決めると、89分にもネイマールの左からのクロスをFWガビゴル(フラメンゴ)が胸で押し込んだ。
ネイマールは大会前に起きたブラジル代表選手によるボイコット騒ぎの首謀者の1人と目されたが、1得点1アシスト。チーム全得点にからむ活躍だった。
1年延期後も南米らしいドタバタぶり
辛うじて、開幕にはこぎつけた。しかし、1916年に始まった世界最古の大陸別選手権の開催がこれほど危ぶまれたことはついぞなかった。
元々は、2020年6月から7月にかけてアルゼンチンとコロンビアで共同開催され、招待国のオーストラリアとカタールを含む12カ国が参加するはずだった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期。招待された2カ国は、参加を取り止めた。ここまでは仕方がない。
しかし、ここから「南米ドタバタ劇場」が始まる。