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東京五輪“残り3~4枠”の焦点はCBとアタッカー… 左SB+2列目のマルチな旗手怜央、4-3-3は“三笘薫シフト”か【18人予想布陣図つき】
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byMasashi Hara(L)/AFLO(R)
posted2021/06/13 14:25
三笘薫、旗手怜央は試合後のリモート会見で対照的な表情だったという。果たしてメンバー18人はどうなる?
隠れたファインプレーで遠藤航のゴールを演出
実際、12分には久保のパスからシュートに持ち込み、20分には斜めにスルーパスを流し込んで久保のシュートを導いた。
隠れたファインプレーは、42分に生まれた。ペナルティエリアの角でボールを持った遠藤航の背後を駆け上がり、相手DFの注意を引くことで、遠藤のミドルシュートを"アシスト"したのだ。
このランニングについて「あそこで大外を走れば、ボールを持った選手の選択肢を多くすることができる」と自画自賛した旗手は、60分間出場したジャマイカ戦に関して「僕が今持っている力は、出し切ったんじゃないかと思います」と振り返った。
三笘はなかなかアピールに成功してこなかった
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旗手と対照的だったのが、川崎フロンターレでチームメイトの三笘である。
60分に途中交代する直前、得意とする左サイドからのカットインで中央に進入すると、鮮やかなスルーパスを通して上田のゴールをお膳立てした。
しかし、その表情は決して明るくなかった。
「簡単なミスが多かったですし、1点には絡みましたけど、あれがなければ何もしていないところだったので、満足はいっていないです」
実際、前半にはトラップミスをしたり、ドリブルが長かったりして、チャンスを潰すシーンがあった。
この東京五輪代表チームには2017年12月の立ち上げから頻繁に招集されてきた三笘だが、アピールに成功してきたというわけではない。
もっとも、19年までは筑波大学に在籍する大学生。コロナ禍で代表活動が一切中止となった20年に川崎でプロとなり、ルーキーながらJリーグ・ベストイレブンに輝いて大ブレイクしたのは、周知の通りだ。
ジャマイカ戦前に語った悲壮な覚悟
そのため、1年2カ月ぶりの代表戦となった今年3月のU-24アルゼンチン戦では、進化を遂げた三笘のプレーに期待が掛かった。
しかし、「自分のミスで何度も取られたシーンがあった」と本人も振り返ったように、違いを見せられなかった。
そんな三笘が悲壮な覚悟を語ったのは、ジャマイカ戦4日前のことである。