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号泣する桜庭和志、高田延彦のハッピーエンド、伝説のミルコvs.ノゲイラ… カメラマンが目撃したMMA東京ドーム大会の衝撃の瞬間
text by
長尾迪Susumu Nagao
photograph bySusumu Nagao
posted2021/06/11 11:03
MMAとして初めて東京ドームで行われたRRIDE.1のメインイベントに出場した高田延彦(左)とヒクソン
PRIDE.4
1年後に高田にリベンジの機会が訪れた。だが結果は、同じ技でギブアップ負け。観客は、素直にヒクソンの勝利を祝福した。この大会で印象的だったのは桜庭和志だ。ブラジルの強豪アラン・ゴエスと、一進一退のアグレッシブかつテクニカルな試合を見せた。時間切れで引き分けになったが、桜庭の評価は一気に上がり、注目されるようになった。
<試合後の桜庭は、一本勝ち出来なかったことが不満だったらしく、悔しさをにじませていた>
PRIDE GRANDPRIX 2000 開幕戦
16人の選手を内外から集め、初代PRIDE王者を決めるトーナメントがスタート。注目は1月に新日本プロレスを退団した藤田和之。日本人離れした肉体とパワーで対戦相手を圧倒。見事な一本勝ちでMMAデビューを飾った。
ヒクソンの実弟のホイス・グレイシーがPRIDEに初出場。当時のメインイベンターだった高田を相手に、無難に判定勝ちを収めた。ホイスはUFCで活躍した選手である。選手とセコンド陣が両手を前の人の肩に乗せ、一列になり入場する“グレイシートレイン”でも有名。通常は3~4人で入場するが、このときは最後尾が見えないほど列が長い。
<ドームの花道を堂々と行進している様子を見て、試合前なのに微笑みながら撮影した記憶あり。グレイシートレインを初めて見た観客からは、驚きと笑みがこぼれていた>