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号泣する桜庭和志、高田延彦のハッピーエンド、伝説のミルコvs.ノゲイラ… カメラマンが目撃したMMA東京ドーム大会の衝撃の瞬間
text by
長尾迪Susumu Nagao
photograph bySusumu Nagao
posted2021/06/11 11:03
MMAとして初めて東京ドームで行われたRRIDE.1のメインイベントに出場した高田延彦(左)とヒクソン
コロシアム2000
ヒクソンがパンクラスのエース船木誠勝と対戦。ヒクソンは試合中にパンチを目に受け、しばらくの間、何も見えなかった。左目は明らかに腫れあがっているが、なんとか回復。長引かせては不利と考えたヒクソンは、一気に勝負にでる。マウントパンチから流れるようなチョークで、船木を失神させた。船木はこの試合で引退(後に復帰)。ヒクソンも愛息を亡くしたことやコンディション不良などもあり、この試合が引退試合となった。
<男と男の生き様をかけた真剣勝負だった>
PRIDE.17
ヘビー級とミドル級(93キロ以下)の王者を決める大会。ヘビー級はアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、ミドル級はヴァンダレイ・シウバとブラジル人がベルトを独占した。
メインに登場した桜庭は、前回KO負けをしたシウバを相手に、序盤からペースを握る。1ラウンド終盤、シウバの強引な投げ技を受ける。インターバル中に、ドクターが桜庭の左肩をチェック。完全に肩が外れていたため、ドクターが試合を止めた。桜庭は他団体での挑戦を含め、MMAのベルトを巻くことはなかった。
試合後、桜庭は涙ながらに語った。
「すみません、みなさまの期待にこたえられなくて……」