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号泣する桜庭和志、高田延彦のハッピーエンド、伝説のミルコvs.ノゲイラ… カメラマンが目撃したMMA東京ドーム大会の衝撃の瞬間
text by
長尾迪Susumu Nagao
photograph bySusumu Nagao
posted2021/06/11 11:03
MMAとして初めて東京ドームで行われたRRIDE.1のメインイベントに出場した高田延彦(左)とヒクソン
UFO LEGEND
メインイベントは小川直也とMMAデビュー戦のマット・ガファリ。リングに上がったガファリの締まりのない体型を見て、場内は失笑。案の定、小川のパンチ一発で戦意喪失。平日ということもあり、観客の入りも寂しかった記憶がある。
余談だが、第6試合で私の古くからの友人、ヴァリッジ・イズマイウがKO勝利。リングサイドの私に気が付くと、喜びながら抱きついてきた。私はカメラを持ったまま、後ろに倒れた。運の悪いことに、日本テレビがその様子を生中継。全国に無様な姿をさらしたリングサイドカメラマンであった。
PRIDE.23
高田延彦の引退試合はセミファイナルだったが、実質的にはこの試合がメインイベントといえるだろう。UWFインターナショナル(以下Uインターと記載)で後輩だった、田村潔司がその相手を務めた。田村は以前にUインターの試合後のリングで、「高田さん、俺と真剣勝負してください」とアピール。その後田村は高田とは対戦することなく、他団体へ移籍。Uインターも解散した。もう交わることがないと思われていた両者の戦いは、PRIDEで実現した。勝負は田村の一方的な展開で、あっという間に終わった。試合後は、Uインターのメンバーがリングに集い、高田を胴上げ。因縁の対決から一転し、ハッピーエンドになった。
<これも高田延彦という男の人徳だろう>