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乾貴士の活躍で小都市エイバルと日本がつながった縁… 降格も“ロマンあふれる町とスタジアム”の光景は美しかった【激写】
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/06/02 06:00
エイバルの本拠地イルプア。彼らがリーガ1部の舞台に戻ってくることを期待したい
この町に唯一ある立派な名前のホテル、"ウンサガ・プラサ・ホテル"の前がバス停だ。
これ以降、取材の度に何度もお世話になる"ホテル"とバス停だった。
乾のインタビューに先駆け、町の散策に
乾貴士へのインタビューに先駆け、ロケハンを兼ねた町の散策に出た。
その日最初のカットは、ホテルを出て10秒の案内表示板に見つけたエイバルのホームスタジアム、Ipuruaの文字とサッカーボールマークだった。
カメラデータを見てみると10時58分にシャッターを押していた。バルセロナからの当日入りだったことを考えると、なかなかのハードスケジュールだ。
町の雰囲気は、清潔感のあるきれいな地方都市というのが第一印象だった。
しかし、あてもなく30分ほど歩くと突如むき出しのエスカレータを見つけた。
お昼ご飯のパンを買い出しに行かされたお父さんだろうか、エイバルのユニホームを着ていた。
ロバの向こう側に初めて目にしたイプルアの姿
更にエスカレータを乗り継ぎ進むと、そこはもう町の外れだった。
ガードレールの隙間から放し飼いされたロバが顔を覗かしている。
地方都市というよりも、山と山の間のわずかな隙間にできた町なのだなと印象を改めさせられた。ホテルの検索サイトで1件しかヒットしなかったのも納得だった。
そして、ロバの向こう側には初めて目にするイプルアの姿があった。
町の中心広場に戻ると、鼓笛隊とランチ前の一杯を楽しみに出てきた人々で溢れていた。賑やかに楽しむ人々に誘われる様に一軒の店に潜り込む。