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【CL決勝】水沼貴史「チェルシーはオプションが豊富」気になるペップとトゥヘルの采配、シティのキーマンは?
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byGetty Images
posted2021/05/29 11:00
プレミアリーグ対決となったCL決勝。ペップとトゥヘルの手腕にも注目が集まる
CLファイナルのキーマンは……シティに関しては全員ですね(笑)もちろんデブライネが鍵を握るでしょうが、ベルナルド・シウバ、マフレズ、スターリング、ジェズス、そしてデ・ブライネが不在の時にゴールを量産したギュンドガンなど、脇役は多彩。ロドリゴも安定感ありますよね。
強いて挙げるとすれば、今季の“独走”を支えたDFルベン・ディアスでしょうか。この、スーパーなセンターバックのおかげで、不安視されていた最終ラインが安定しました。
ファンダイク不在で苦しんだリバプールが象徴するように、ディアスのようなビルドアップ力に長けたDFは現代のフットーボールには欠かせない。全てのスタートになるわけです。同じく大金を叩いて獲得した新戦力のDFアケがやや物足りないプレーでしたが、ディアスのおかげで胸を撫で下ろしている関係者も少なくないでしょう。チェルシー攻撃陣がここをどう打ち破っていくか注目ですね。
CL決勝でマウントが輝く?
一方、9年ぶりのCL制覇を目論むチェルシーのキーマンは、22歳のマウントではないかと思っています。
小柄ですが、体も強く、運動量も豊富。攻守においてリンクマンでありながら、シュートセンスもあるのでフィニッシャーとしても能力を発揮します。今季はゴールに絡む回数が格段と増えたことで「怖い」選手に成長しましたね。(レアル・)マドリーとのセカンドレグでもファイナル進出を決定づけるゴールを奪いました。
1月下旬にトゥヘル監督に変わったことで、彼がドルトムント時代に指導したプリシッチらにポジションを明け渡してしまうかなとも思いましたが、序列が下がるどころか、むしろ攻撃的なタスクが増え、今やチームに欠かせない存在になりました。マウントのような若い選手がCLでスターになる姿を見たいですね。