あとMFカンテも重要なプレイヤーですね。ボール奪取、危険察知能力はさることながら、今シーズンは攻撃参加も素晴らしい。ハーフスペースでのボールの運びが秀逸です。それを90分しっかりと遂行できる。替えが効かないという意味ではカンテこそ欠かせない選手かもしれません。

　そう考えると、主導権を握りたいシティの中盤に対してチェルシーがどれだけプレッシャーをかけられるか。チェルシーもボールを持てるチームですが、おそらくシティが握る時間帯が多くなる。いかにボールを奪い、素早く前線に渡していくか。その辺りが見所になるでしょう。

シーズン途中からチェルシーを立て直したトゥヘル　©︎Getty Images

　また、チェルシーの強みとしてはオプションが豊富。ウイングバックも多彩ですし、速いベルナー、プリシッチ、前線に入ることもできる器用なハバーツ、テクニックに長けて一発があるジエシュ、ベンチにはパワープレーができるジルーがいる。

　今季の直接対決はカップ戦含めて3度ありますが、チェルシーが2勝。ベストメンバーとは言えない布陣でしたが、いずれもトゥヘルが就任してから。今、何を考えているか彼の頭の中もぜひ覗いてみたいですね（笑）　

　シーズン最後の対決で、狙いに適した布陣で戦える最高の舞台。CLを託されたペップと昨年CLを目の前で逃したトゥヘル……両指揮官がどんな策を講じるか、そのあたりにも注目しながら決戦を待ちましょう。