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ドラ2で独立Lの星→“フル回転しすぎ”後の低迷を経て… 又吉克樹が“与田竜のセットアッパー”で復活【週刊セパ記録】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2021/05/25 11:00
独特のサイドハンドから繰り出すボールで相手を抑え込む又吉克樹。中日にはなくてはならないピッチャーだ
果たして、翌年から防御率が急落。登板数も減り、重要な場面を任されない状況になった。当時、二軍戦でも又吉をよく見たが、ストライクが入らないうえに球速も伸びず、打ち込まれて降板するシーンがしばしばあった。
春季キャンプでは、ブルペンに入ってからも周囲の目を気にすることなく、長々と寝そべって念入りにストレッチをする姿を見かけた。又吉の必死の思いが伝わってきた。
苦しんだが昨年から復活の気配は漂っていた
多くの救援投手がそうであるように、又吉も“酷使”のあげくに消えていくのかと思った。登板機会も減っていたが、又吉は消えなかった。昨年9月に再登録されると終盤には4試合連続でホールドを記録するなど、セットアッパーとして復活したのだ。
今季はクローザーのライアル・マルティネスにつなぐ8回を担当。22試合に登板し0勝1敗15ホールド、20.1回、防御率0.89という圧倒的な成績を残している。
かつての又吉はサイドスローから150km/h超の伸びのある速球を投げ込んだが、今は140km/h台半ば。しかしそれでも又吉は相手打者を圧倒する。制球が良いうえに、恐らくは回転数が高いのだろう。
マウンド上でも自信が蘇ってきている。「独立リーグの星」の復活は、筆者には我がことのように喜ばしい。
大野雄大は1000奪三振をマーク
<達成記録と記録予報>
達成記録
・100本塁打
吉田正尚(オ)5月23日ソフトバンク戦 101人目
・400ホールドポイント
宮西尚生(日)5月18日楽天戦 史上初
・2500投球回
涌井秀章(楽)5月21日ロッテ戦 47人目
・2000投球回
金子弌大(日)5月18日楽天戦 91人目
・1000奪三振
大野雄大(中)5月21日巨人戦 152人目
記録予報
・1000試合
あと6 安達了一(オ) これまで510人
・1500試合
あと1 坂口智隆(ヤ) これまで195人
・1000安打
あと5 バレンティン(ソ)これまで309人
・100本塁打
あと1 亀井善行(巨) これまで301人
・200本塁打
あと4 内川聖一(ヤ) これまで109人
・250本塁打
あと1 坂本勇人(巨) これまで64人
・300本塁打
あと3 バレンティン(ソ)これまで42人
あと8 松田宣浩(ソ)これまで42人
・300盗塁
あと1 糸井嘉男(神) これまで29人
・300犠打
あと6 菊池涼介(広) これまで7人
・100勝
あと2 西勇輝(神)これまで139人
・150勝
あと1 涌井秀章(楽)これまで48人
あと9 和田毅(ソ)これまで48人
・150セーブ
あと6 増田達至(西)これまで16人