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Jリーグ226試合出場、31歳で引退の椋原健太…なぜジーンズメーカーに就職した?「裏地あったかパンツ」との衝撃の出会い
text by
石倉利英Toshihide Ishikura
photograph byToshihide Ishikura
posted2021/05/13 06:00
サッカーとは違う畑での第二の人生を歩み出した椋原健太(31歳)
引退後は全くサッカーにかかわらなくてもいいと思っていたが、3月に岡山の放送局のラジオ中継でファジアーノの試合解説を担当して「かかわってみると、やっぱりサッカーは楽しい」と再確認した。とはいえ、もはやプロ選手ではない。「起きたら筋肉痛がない。ドーピングを気にせず、好きなものを食べることができる。引退したら食べたいと思っていたマクドナルドは、まだ罪悪感があって行っていませんが、プロになってから一度も食べなかったカップラーメンを食べたら、めちゃくちゃおいしかったですよ」と笑う。
妻と、4歳の長男、1月に誕生した次男との4人家族。平日の9時から18時まで働き、土日祝日は休日で、サッカーに興味を持ち始めた長男とボールを蹴る。自宅を購入し、大好きな岡山であこがれていた「普通の生活」を始めた椋原さんの表情は、Jリーグのピッチを駆けていたときと同じように輝いている。
「いい会社で働くことができて幸せです。メンタル面で厳しかった世界から解放されて、やっと定住できる。いまは心に余裕があって、そうなると仕事帰りに歩く道のりの景色が、華やかに、きれいに見えるんです。こんなに素晴らしいことはないですよ」