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部活が大変なことに…「レギュラーは練習OK、補欠は自宅待機」 生徒を分断する異常ルールを生んだ「質より量のブラック文化」
posted2021/05/11 11:00
text by
島沢優子Yuko Shimazawa
photograph by
Getty Images
大阪の運動部が大変なことになっている。
バレーボールやバスケットボールといった室内競技を中心に中高部活動での感染が報告された大阪府では、4月15日から部活動の自粛が要請された。第3波では10代以下の感染者が10%程度だったが、新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るうなか4月末現在は約20%にのぼる。20代が重症化したケースも報じられ「若いから大丈夫」とは言えなくなっている。
それでも公式戦は行われる。大阪高等学校体育連盟バスケットボール専門部公式ホームページによると5月10日現在、大阪府では5月15日から全国高校総体の予選が行われる予定だ。緊急事態が31日まで延長になったが、試合は行われる。よって、府からの通達では「公式戦があれば平日は1時間、土日は2~3時間は練習OK」とされている。
「時期の見直しを検討する気配はありません」
男性顧問はこう嘆く。
「すぐに予選があるので練習しなくてはいけない。こういう状況なのでゴールデンウイーク中は練習を休ませたいが、強度を上げておかないとケガをしますから。延期を求める声はあったようだが、6月には近畿大会があるので大阪だけスケジュールをずらすのは無理らしいです。近畿の府県で話し合えばいいことなのに、時期の見直しを検討する気配はありません」
危険にさらされるのは部員たちだ。スポーツマスクをして毎日の練習や練習試合を行っている。コロナの変異型ウイルスが自分たちのような若年層にも深刻な病状を招くことは、高校生であれば十分理解できる。だが、その一方で大会にも出たいのもまた、彼らの本音に違いない。