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「大谷翔平から“ある提案”」投手電撃復帰の舞台ウラ…「3度目の故障は投手生命が奪われる」ドジャース監督が初めて語った「大谷の声を最優先に」の意味
posted2025/06/19 11:04

現地6月16日、じつに663日ぶりの登板となった投手・大谷翔平
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笹田幸嗣Koji Sasada
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Getty Images
2度目のトミー・ジョン手術から663日ぶりの復帰登板となったマウンドは1回を28球、2安打、1失点。最速は100.2マイル(約161.2キロ)を計測し、力強い投球が印象的だった。そして、試合後の大谷も一定の満足感を示していた。
「結果的にはそこまで良い結果ではなかったですけど、まず今日投げ終えて、また次投げるつもりで、まず一歩前進したかなと思います」
大谷の復帰登板が“1カ月”も早まった理由
当初、ドジャース首脳陣は7月16日から始まる後半戦での復帰を見据えていた。慎重に復帰への歩みを進めていたはずだったが、急遽その予定を1カ月も早めた。先発、救援陣にケガ人が続出する緊急事態が復帰を早めた一因であるのは間違いないが、それだけではない。そこには発想の転換があった。デーブ・ロバーツ監督が説明する。
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「1週間前にはもう1回ライブBPで投げて、4イニングを投げられる可能性があるか、そういう話をしていた。しかし、彼(大谷)との会話からわかることは、今がその時だということだった」
大谷がライブBPを開始したのは5月25日。ニューヨークでのメッツ戦の前に打者3人に対し、5打席で22球、結果は4打数1安打1四球2三振だった。2度目は31日、本拠地での試合前に2イニング想定で29球、6打数2安打1四球1三振。3度目となった6月10日のサンディエゴでは3イニング想定で44球、11打数1安打6三振、最速は96マイル(約154キロ)をマークした。球数、球速、球種を徐々に増やし、その後の回復も順調だった。だが、ライブBPの復帰調整には問題もあった。ロバーツ監督が明かす。
「先日の3イニングのシミュレーション登板だけでも、本人にとってはダブルヘッダーをこなすくらいの体力的な消耗があったようだ」