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「不思議な縁で」卒業後も同じ実業団に…青学大2014年同期・中村祐紀は「マラソンにも勝てて悔いなく引退」田村和希は「僕もやめるなら同じ境地で」

posted2025/06/19 17:02

 
「不思議な縁で」卒業後も同じ実業団に…青学大2014年同期・中村祐紀は「マラソンにも勝てて悔いなく引退」田村和希は「僕もやめるなら同じ境地で」<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

卒業後に同じ住友電工に進んだ「青学2014年組」の中村祐紀と田村和希。中村が今年引退し、同期で競技をつづけるのは田村だけになった

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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箱根駅伝初優勝から4連覇。2014年度から17年度の青学大は無類の強さを見せた。その4年間がそのまま大学生活と重なった「青学大2014年組」。その同期、中村祐紀と田村和希は同じ住友電工に進んだ。今年中村が引退し、田村が同期で競技をつづける最後のひとりに。そんな彼らの「いま」を語ってもらった。〈NumberWebインタビュー全3回の3回目/はじめから読む

 2018年、青学大を卒業した田村和希と中村祐紀は、住友電工に入社した。

中村「今度は田村に一泡吹かせてやろう(笑)」

 実は中村の進路は別の実業団に決まっていたのだが、そのチームの陸上部が活動停止になった。そこで青学大の原晋監督が住友電工の渡辺康幸監督に打診し、すでに田村の入社が決まっていた同社に、中村の入社も決まった。

「いろんなめぐり合わせで入社できて、陸上を続けられたのはすごくうれしかったです。田村と一緒というのも縁を感じましたし、彼の強さは身近で見ていてよく知っているので、これで住友電工はさらに強くなると思いました。ただ、一緒に入ったからこそ、大学とは異なり、今度は一泡吹かせてやろうぐらいに思っていました(笑)」(中村)

田村「中村とは不思議な縁ですけど、僕は個人の目標に向けて」

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 田村のほうは、大学時代の駅伝に賭けた競技人生から、個人種目に主眼を移していた。

「実業団も中村と一緒になり、不思議な縁を感じていましたけど、社会人になってからは大学時代のような仲間意識みたいなものはそれほどなかったです。駅伝はありますけど、僕は個人の目標に向けてやっていく気持ちでいました」(田村)

 個人種目は10000mをメインにして、東京五輪出場を目標に掲げた田村は、そこに向かって着実に結果を積み重ねていった。入社して約1年、第103回日本選手権10000mで28分13秒39で初優勝を果たし、20年のニューイヤー駅伝では6区4位、都道府県駅伝では3区で13人抜きをして区間賞。

 そして迎えた20年12月、第104回日本選手権に10000mの東京五輪の参加標準記録突破と日本代表入りをかけて出場した。練習もほぼ完璧にできており、自信を持ってスタートラインに立った。レースは中盤で前に出たが、優勝した相澤晃(旭化成)、2位の伊藤達彦(Honda)に及ばず、27分28秒92の3位。五輪の参加標準記録には0秒92及ばなかった。

【次ページ】 田村の人生で一番ショッキングな出来事

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