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若き名将の栄光と転落… ナーゲルスマンは34歳でバイエルン、16歳から指導者ビラス・ボアスの“意外な二刀流”とは
text by
三重野翔大Shodai Mieno
photograph byGetty Images
posted2021/05/10 11:01
ナーゲルスマン(左)とビラス・ボアス。彼らのような若き指揮官が、今後どのようなキャリアを築くかにも注目したい
ホッフェンハイムのアレクサンダー・ローゼンSDは「練習場でも、チームのディナーでも、更衣室でも、彼はその長身とオーラで人々に大きな影響を与えている」と評した。
バイエルンは文字通りスター軍団。ロベルト・レバンドフスキ、トーマス・ミュラーら同世代のスターがいれば、マヌエル・ノイアーのように自身より年上のワールドクラスもいる。若手主体のライプツィヒとは全く異なる環境下で、ナーゲルスマンはロッカールームを掌握できるだろうか。
トッテナムでは29歳のライアン・メイソンが
イングランドでは、プレミアリーグ史上最年少監督が誕生した。29歳で古巣トッテナムの暫定監督に就任したライアン・メイソンだ。ハル在籍中の2016-17シーズン、チェルシー戦で起こったショッキングな衝突による頭蓋骨骨折で、選手引退を決意してから3年。来季のCL出場権獲得に燃えるスパーズを率いる立場として戻ってくる。
カラバオカップ決勝ではマンチェスター・Cに敗れて、「就任6日で初タイトル」という偉業は遂げられず。リーグ戦では2連勝と回復途上で迎えたリーズ戦で、攻撃の強みを完璧に封じられ、マルセロ・ビエルサに経験の差を見せつけられた。
ちなみにトッテナムを追われたジョゼ・モウリーニョもまた、若い頃に選手としての見切りをつけて、指導者としての道を極めた者だ。ポルト以降、ついに初めて無冠でチームを去ることになり、とうとう"スペシャル"な面影も消え去ってしまったが――。
41歳でCL制覇、モウリーニョも今や58歳
41歳でのCL制覇と、比較的若くして成功を収めたモウリーニョも今や58歳。その彼に代わって29歳の監督が就任とは、何かの巡り合わせなのだろうか。
ただ指導者としてのキャリアにおいては、アンドレ・ビラス・ボアスの衝撃が上回るかもしれない。