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なぜ長谷部誠は37歳でもブンデスの一線級で戦える肉体なのか 7年間ケアする鍼灸師が語る「自然体」のスゴさ

posted2021/05/10 11:02

 
なぜ長谷部誠は37歳でもブンデスの一線級で戦える肉体なのか 7年間ケアする鍼灸師が語る「自然体」のスゴさ<Number Web> photograph by Itaru Chiba/AFLO

2018年、ドイツ杯優勝を長谷部誠、鎌田大地と喜ぶ黒川孝一氏。鍼灸師の立場から37歳の肉体のすごさをどう見ているのか

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中野吉之伴

中野吉之伴Kichinosuke Nakano

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Itaru Chiba/AFLO

3月初旬、長谷部誠がアイントラハト・フランクフルトとの契約を1年延長した。5月6日発売のNumber1026号では、「長谷部誠は知っている。」と題し、年を重ねなお進化を続ける37歳の全貌に迫っているが、フランクフルトで7年間、鍼灸師として長谷部ら選手を支え続けている黒川孝一氏にも話を聞いた。

「才能はあるし、すごいプレーをすることもあるんだけど、コンスタントさに欠ける」

 そんなコメントを、特に若い選手に対する評価で見かけることがある。パフォーマンスを安定させるための秘密は、いったいどこにあるのだろう?

 確かに、若い頃は同じようなイメージでプレーしていても"ぶれ"が出てしまうことや、いつも通りのコンディション調整で試合直前までは調子良さそうだったのに、いざ試合が始まると動けない、なんてことがある。

どれだけ優れた選手でも好不調の波があるのに

 今季の長谷部誠は、違う。

 どんな試合でも、コンスタントにハイパフォーマンスを発揮している。毎試合のように期待通りのプレーを見せて、1試合休みなく走り切る。そんな長谷部が起点となることで、攻守にゲームが円滑に進んでいる。

 しかも、チームは現在ブンデスリーガ4位。改めて強調することではないかもしれないが、37歳の長谷部は、チャンピオンズリーグの出場権争いをしているチームでレギュラーとして活躍しているのだ。

「経験に裏打ちされたマコトのプレーぶりは、本当に素晴らしい」

 フランクフルトの関係者みんなが口を揃えて絶賛しているが、ではどんな経験がどんな効果をもたらしているのだろうか?

 別に若い選手に限らず、どれだけ優れた選手でも好不調の波はある。シーズンを通せばうまくいかない試合はある。それでも、悪いなりにも試合の状況に応じて自分のプレーを修正し、傍目にはそれほど悪いプレーはしていないね、という印象を持たれる選手がいる。

 そうしたパフォーマンスを続けられる選手と、試合が始まってみないと自分自身の調子がわからない選手、その違いはどこから来るのか。

7年間毎日のように長谷部らを支える黒川氏に聞く

 今回はフランクフルトで7年間、鍼灸師として毎日のようにマッサージや鍼灸などの治療を行い、長谷部ら選手を支え続けている黒川孝一に話を聞いた。

【次ページ】 「意識的に気になるところを丁寧にメンテナンス」

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