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ワクチン接種25%強、「非常事態宣言」解除でも…なぜリーガのスタンドに観客が戻ってこないのか?
posted2021/05/09 11:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
夜間の外出や州境をまたぐ移動、6人以上の集会等を半年以上にわたって制限していたスペイン政府は、5月9日の0時に「非常事態宣言」を解除した。
リーガは政府の機関であるスポーツ高等評議会と協議し、(5月7日から10日にかけて実施予定の)第35節からスタンドに観客を戻す計画を練ってきた。
スペインのワクチン接種は順調に進んでおり、5月3日の時点で人口の25%強にあたる約1170万人が少なくとも1度はワクチンを接種していることも背景にある(約500万人は2度の接種を完了)。
厳格かつ細やかなガイドラインを作成
そして「両チームベンチ近くのスタンドは閉鎖」、「席間は縦横3席ずつ開ける」、「入場者は各クラブが選び、記名した入場券を事前に電子メールで送付」、「他地域から来るビジターチームのサポーターは入場禁止」、「入場者の個人情報を登録する」等を厳格かつ細やかに定めてガイドラインを作成し、各クラブに早々に通達した。
同節アトレティコ・マドリーを迎えるバルセロナのホーム、カンプ・ノウを管区に持つカタルーニャ州政府の公衆衛生担当官はスタジアム入場時の感染リスクを気にかけたが、リーガも抜かりなく、「観客は3~5グループに分け、15分で区切った時間帯を指定して入場させる」、「スタジアム周囲に人が集まってしまった場合に、リーガは『無観客』を決定できる」と明記した。