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欧州SL崩壊後もセリエAが大モメ… ユーべサポ「恥を知れ」、マルディーニ「自分は蚊帳の外」、UEFAに楯突くコンテ、怒りのプロビンチア 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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posted2021/05/04 17:02

欧州SL崩壊後もセリエAが大モメ… ユーべサポ「恥を知れ」、マルディーニ「自分は蚊帳の外」、UEFAに楯突くコンテ、怒りのプロビンチア<Number Web> photograph by Getty Images

地元紙トゥット・スポルトも欧州SL構想に「NO!」を突き付けた

『ガゼッタ』でのアンケートでは78%が反対

『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙のHPアンケートでは、圧倒的多数に相当する78%がスーパーリーグへの反対票を投じた。

 プレミア勢の離脱が明白になった21日の昼前、計画の旗振り役の1人だったユベントス会長アンドレア・アニェッリが「計画をこれ以上進めることは不可能」と頓挫したことを認めると、正午にはインテルが撤退表明。その約1時間半後にはミランも現時点での計画実現は困難とする発表を行った。

 ミランのパオロ・マルディーニTDが「自分は蚊帳の外だった。まったく知らなかった」と強調したように、スーパーリーグ計画は各クラブのオーナーレベルでしか知り得ない極秘合意だったとされている。

ピルロ監督の表情は冴えなかった

 発表から“事件収束”に至るまで嵐のような2日半が過ぎ去った後、21日夜のセリエA第32節を迎えた3クラブの選手たちは、世界中を敵に回したような大きな戸惑いを抱えていたに違いない。

 パルマ戦に臨んだユベントスは、降格圏に沈む相手にまさかの先制点を許した。DFアレックス・サンドロとDFマタイス・デリフトの伏兵2人が3ゴールを奪い逆転勝ちに成功したが、試合後のアンドレア・ピルロ監督の表情は優れなかった。

 どこもかしこもポジション毎の戦力が整わないうえに、C・ロナウドは音無しゲームが続く。現在4位とあって来季のCL出場権争いはまるで楽観できず、会長肝煎りのスーパーリーグが頓挫したものだから、カメラの前では晒し者扱いだ。

 スーパーリーグに関して質問が飛ぶと「それについては会長とスポーツディレクターが話しただろう」と、我関せずを貫くのが精一杯だった。

 スペツィアに遠征したインテルは、昇格組の地方クラブに足元をすくわれた。

 開始12分でFWディエゴ・ファリアスに先制され、前半の内にFWイバン・ペリシッチのゴールで追いついたが、相手の徹底したハイプレスにもう1点を奪えず終い。

 スクデット獲得はほぼ確実だけあって、選手たちの疲労も考慮した指揮官アントニオ・コンテ監督は1-1のドローでも良しとした。

【次ページ】 会長に忖度したのかコンテはUEFAを大批判

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