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アグエロ、テベス、サバレタ… プレミアファンの心に残る偉大なアルゼンチン人選手伝説とは
posted2021/04/21 17:00
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
プレミアリーグで272試合に出場し、181ゴール・54アシスト。2014-15シーズンには得点王に輝き、月間最優秀選手に選出されること史上最多の7回。そして今シーズンは、十中八九5回目のプレミアリーグ優勝だ。
そうした輝かしいキャリアとともに、セルヒオ・アグエロがマンチェスター・シティに別れを告げる。
2011-12シーズンにシティの一員となり、10シーズン目を数える。その間、ロベルト・マンチーニ、マヌエル・ペジェグリーニ、ジョゼップ・グアルディオラと監督は代わったものの、アグエロはいつでもFWの中心だった。
身長173cm。大型化する一方のヨーロッパ・サッカーにおいては小柄であり、巷で話題のアーリング・ハーランド(ドルトムント)に比べると21cm低いにもかかわらず、だ。
アグエロが世界トップクラスを維持できた理由
アグエロが世界のトップクラスを維持できた理由は、ベストポジションを模索する動き、ワンタッチコントロール、シュートの正確性など、ストライカーに求められる能力を高いレベルで有していたからだ。ポジションを常に修正して相手マーカーから離れる。絶妙のタッチでボールを処理する。左右両足とヘッダーで強烈、かつ巧妙に決める。
しかも、体幹が強かった。190cmを超えるプレミアリーグのセンターバックがパワーで挑んできても、グッと踏ん張り、シュートを、ラストパスを決めていた。173cmのポストワーカーなんで、彼をおいて他にない。
相手の手が顔に触れただけで3分近く痛がっているようでは、一生かかってもアグエロの域には到達できないだろう。日本が産んだ史上最強にして最高のゴールゲッター、釜本邦茂氏の「痛い顔を見せたらあかん」というコメントもNumber Webの記事に載っていた。
ここ数年は古傷のあるハムストリングが悲鳴を上げるケースが増えてきた。走り込みが不足しているのか、下半身が大きくなった印象が強い。公称では70kg? いやいや、80kg近くありそうだ。
しかし、コンディションさえ整えばシティの前線はいまなおアグエロが中心だ。