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「破産寸前の無一文」だったドルトムント、「会長が優勝を祝うのも嫌がった」銀河系レアル… 暗黒期の真相とは
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTakuya Sugiyama
posted2021/04/14 17:00
豪華陣容だった“銀河系軍団”時のマドリーだが、ペレス会長との軋轢は絶えなかったようだ
<名言2>
マンチェスター・シティを世界一のクラブにする。
(シェイク・マンスール/Number789号 2011年10月13日発売)
◇解説◇
20年前、大半のサッカーファンにとってマンチェスター・シティは“ユナイテッドじゃない方”、そして有名ロックバンドOASISのギャラガー兄弟が熱狂的ファンらしい、程度の認識だった。
それも当然だろう。1950~70年代は散発的にタイトルを獲得してきたものの、1980年代からは長きにわたる暗黒時代へと突入。そのレベルは「トップリーグで残留争い」のレベルではなく、1998-99シーズンにはディビジョン2(3部相当)にまで転落したほどだった。
そんな弱小クラブを変えたのは資本の力だった。
2007年にタイの首相を務めたタクシン氏が会長に就任。その翌年9月にタクシン氏がアブダビ首長国の投資機関にオーナー権を売却。シティにとってのターニングポイントはここで訪れた。
当時、アブラモビッチ会長率いるチェルシーが急浮上するなど「オイルマネー」のパワーはプレミアリーグで高まっていた。しかしシティがパッとしない成績だったこともあり、マンスール氏の「世界一」宣言は、現実味の無い発言のように思われた。
しかし世界有数の大富豪であるマンスールは3年間で500億円を超える潤沢な資金をチームに投じ、テベス、ヤヤ・トゥーレ、ダビド・シルバ、アグエロらワールドクラスを次々と獲得。新体制発足から4年足らずでプレミアリーグの頂点に立ったのだから、文句のつけようがない“成り上がり”ぶりだった。
その後も名将グアルディオラを招聘するなど、かつて大きく水をあけられていた“隣人”のマンチェスター・ユナイテッドを優に上回る総合力を有している。20-21シーズンは公式戦21連勝をマークするなど、18-19シーズン以来のプレミア制覇に近づいている。ただそれ以上に――真の世界一へもう1つ必要なのは、CLのビッグイヤー獲得である。