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【桜花賞】ソダシvsアカイトリノムスメの「紅白対決」か…“並ではないスピード”のあの馬が逃げるとコワい? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2021/04/10 17:00

【桜花賞】ソダシvsアカイトリノムスメの「紅白対決」か…“並ではないスピード”のあの馬が逃げるとコワい?<Number Web> photograph by Photostud

阪神ジュベナイルフィリーズを制したソダシ。その美しい白い馬体に泥臭い強さも備えている

白毛は「敏感な馬が多い印象」?

 桜花賞の舞台は前走と同じ。追い切りには主戦騎手の吉田隼人が4週連続で騎乗し、コンタクトを取りつづけている。白毛馬で騎手別最多の7勝を挙げている吉田は、白毛は「敏感な馬が多い印象」と話し、管理する須貝調教師はソダシについて「スイッチが入りやすいタイプ」とコメントしている。それはおそらくこの馬の2代母(母方の祖母)シラユキヒメの父サンデーサイレンスから来ているものだろう。

 父クロフネも、母ブチコも、母の父キングカメハメハも、そして前述のシラユキヒメも、ソダシの馬主である金子真人氏(金子真人ホールディングス)が所有した。こうして自身が所有する一族を配合してGIを勝ってしまうなど、ゲームのなかでしかあり得ないように思われるが、それを現実になし遂げたのだから恐ろしい。

 ソダシが桜花賞を勝てば、白毛馬初のクラシック制覇になると同時に、史上8頭目の無敗の桜花賞馬となる。また、朝日杯フューチュリティステークス以来中111日で勝ったグランアレグリアの記録を更新する、中118日の最長間隔勝利となる。

アカイトリノムスメが桜花賞を制したら…

「紅白対決」の「白」がソダシなら、「紅(赤)」はどの馬かというと、「ハワイに生息する赤い鳥の名前」を意味する牝馬三冠馬アパパネの娘、アカイトリノムスメ(父ディープインパクト、美浦・国枝栄厩舎)である。

 昨年8月の新馬戦こそ7着に敗れたが、10月に東京芝1600mの未勝利戦を勝つと、同じコースの赤松賞も快勝。そして、年明け初戦の前走、2月13日のクイーンカップを勝ってここに来た。

 母アパパネも、東京芝1600mの未勝利戦と赤松賞を連勝している。

 アカイトリノムスメの主戦の戸崎圭太はドバイ遠征後、2週間の自主隔離期間中であるため、横山武史に乗り替わる。昨年、史上最年少の22歳で関東リーディングになった気鋭で、次週の皐月賞でもエフフォーリアという有力馬が控えているだけに、勢いをつけたいところだろう。

 この馬も、父ディープインパクト、母アパパネ、母の父キングカメハメハ、2代母ソルティビットを金子オーナーが所有した「金子真人血統」である。

 もし勝てば、5大クラシック(桜花賞、オークス、皐月賞、日本ダービー、菊花賞)で唯一親仔制覇のない桜花賞で、史上初めての親仔(母仔)制覇となる。

【次ページ】 「紅白対決」をまとめて負かしてしまいそうな

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