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巨人の“懸案事項”正捕手は「打撃の大城卓三」に…それでも小林誠司を“抑え”で起用する原監督の逆算戦略とは
 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/04/02 14:55

巨人の“懸案事項”正捕手は「打撃の大城卓三」に…それでも小林誠司を“抑え”で起用する原監督の逆算戦略とは<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

今季開幕戦のDeNA戦で大城卓三はチーム1号となる勝ち越し3点本塁打を放った

原監督による試合中の“公開説教”

 開幕3戦目となった3月28日のDeNA戦。1回表のDeNAの攻撃が終わった直後のことだった。

 先発の今村信貴投手が初回に2本の二塁打と1四球で25球を投げて1失点。するとベンチに戻った大城を、すぐさま原監督が呼び寄せて、立ったままで2、3分、身振り手振りを交えながら何か注意を与えていたのである。

 ネットでも話題となった、試合中の“公開説教”。

「今日は外の天気が悪いらしいぞってね」

 試合後にこの場面を聞かれた原監督は、こうはぐらかしたが、実は同じような場面が開幕前のオープン戦でもあった。

捕手としての基本能力は決して低い訳ではない

 3月21日の楽天戦で、先発はやはり今村。初回にその今村が1死から2番の田中和基外野手に与えた四球をきっかけに、リズムを崩して3失点した。そのリードに対して、原監督がベンチに戻った大城を呼び寄せ、同じように厳しい表情で注意を与えた。その場面がテレビ中継で映し出されて、“公開説教”と話題になっていたのである。

「2ストライクから逃げ、逃げ、逃げてフォアボールだからね。その辺のリードは考えなきゃって話はした。投手も『あれ?』って思っちゃう。弱々しく見えたね」

 この場面を振り返った原監督のコメントである。

 大城は捕手としての基本能力は決して低い訳ではない。

 肩が弱いわけではないし、捕球からスローイングした送球が二塁に到達するまでのポップタイムの平均も、1.97とほぼ平均値に近い数字を持っている。

 ただ、問題はリード。

【次ページ】 ゲームの終盤を任せる“抑え捕手”という役割

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