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巨人の“懸案事項”正捕手は「打撃の大城卓三」に…それでも小林誠司を“抑え”で起用する原監督の逆算戦略とは
posted2021/04/02 14:55
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
これが“懸案事項”への1つの答えだった。
巨人の捕手問題である。
大城卓三と小林誠司。どちらも一長一短を持つ2人の捕手の、いずれを正捕手として使うのか。
その答えはあっさりと出た。
打撃が売りものの大城が、とにかくバットで強烈にアピールしている。
DeNAとの開幕戦では同点の3回1死一、二塁から勝ち越しの1号3ランを放つと、第2戦でも7回に勝負を決めるタイムリーヒット。4月1日の中日戦では6回に岡本和真内野手の二塁打で逆転すると、なお1死一、三塁から追撃の一打となる左前適時打と勝負強さを発揮した。
これで開幕から6試合連続安打で打率は実に4割9厘。打点も5打点という勝負強さで、期待通りの活躍を見せている。
捕手としての課題がクローズアップされた
「彼の魅力はやっぱりバッティングだからね」
原辰徳監督の大城評だ。
「ただ非凡な打撃センスを持っているけど、なかなかその才能にみあった結果がまだ結びついていない。去年の数字(打率2割7分、9本塁打)も、まだまだ上をいけるはずですから。そういうところをしっかり結果に結びつけていくことができれば、もっともっと大きな戦力になるはずです」
それでも「打てる捕手」として開幕マスクを任せたのは、大城だった。そして大城もまた、期待に応えてしっかりスタートダッシュを決めた訳だ。
ただ、長所を長所として発揮すると同時に、改めて捕手としては大きな課題がクローズアップされる場面もあった。