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巨人を去った27歳、巨人に残った27歳…ジャイアンツ4年前のドラ5&ドラ6(93年組)が東京ドームで“逆襲”した日
posted2021/03/31 11:06
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Sankei Shimbun
青春が終わり、人生が始まる。
何の職業でも「27歳」は、そういう時期だ。新社会人時代は横一線の始まりも、気が付けば徐々に差がついてくる。その場で結果を出してポジションを掴みかける人もいれば、転職で地元に戻りリスタートを切る人もいる。東京ドームの巨人対横浜DeNA戦の開幕カードでは、数年前に巨人で「93年組」と売り出されていた選手たちが、それぞれ違うユニフォームを着てプレーしていた。
2021年3月26日金曜日、桜が咲く季節に2年ぶりの有観客での開幕。東京ドーム内のアルコール販売も時間と販売場所限定ながらも再開した。ナイターでは19時半まで、これまでのように売り子が売り歩くスタイルではなく、観客が後方の通路付近にいる売り子のもとまで買いに行く。コンコースのいたるところに消毒液が設置され、ドーム内の手洗い場も増築されている。もちろん上限1万人の観客はマスク着用で、大きな声援は禁止だ。グラウンドでも感染対策の一環で試合開始を15分早めて17時45分プレイボール、シーズンを通して延長戦を行わず9回打ち切り。すべてがこれまで通りとはいかないが、なにはともあれプロ野球のある春が戻ってきた。
『原辰徳 寿重』も『丸佳浩のピザ』も…
祝・開幕。取材パス申請をして検温・消毒後に入場すると、まず場内で監督・選手プロデュース弁当の『原辰徳 寿重』を買う。「完璧だねこれ。これだったら4000円くらいするのかな。えっへっへっ」なんてジャパネットタツノリ風の紹介動画にイージーに乗せられて、「これだけオカズが入って2000円? 安っ!」と試合前に腹ごしらえ。いつの時代も、球場では「コンビニ弁当ならもっと安いんじゃ……」とか冷静になったら負けだ。お気に入りの選手弁当をかき込むまでひっくるめての応援であり、野球観戦なのである。
ちなみに今季から東京ドームでは、席からモバイルオーダーができる「グルモバ」サービスも開始。カード決済にも対応していて、料理ができるとお知らせメールが来て店舗へ受け取りに行くだけ。試合中にスマホから『丸佳浩のジャストミートピザ』を注文したら、並ばずにさくっと買えたので「席を立ってあのホームランを見逃しちまった……」なんて野球観戦あるあるともお別れだ(ただ、まだ不慣れな店員さんがグルモバ受け取り口の誘導等で微妙に手間取っていたが……)。すべてが手探りだった昨季とは違い、今季はガチの新システムで開幕を迎えた印象だ。コロナ前後で野球観戦様式も大きく様変わりしていきそうである。
原巨人と三浦DeNA「ふたりの27歳」
さて、V3を目指す原巨人と、公式戦初采配となる三浦DeNAの対戦。両チームとも主軸の外国人選手がまだ入国できず、ベストオーダーは組めなかった。そんな中、注目はふたりの27歳だ。