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シメオネの盟友から受けた酷評… 失速気味のアトレティコが今こそ問われる“1試合ずつ”という精神
posted2021/04/04 17:00
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
「アトレティコは鮮やかに勝って、仕切り直さなきゃいけない。この先も、こんな試合を続けていたら優勝は難しい。チーム全体が鈍重だ」
1990年代のアトレティコ・マドリーで活躍し、現役時代のディエゴ・シメオネのチームメイトでもあったキコは、3月21日に行われたリーガ第28節のアラベス戦を酷評している。
この試合、アトレティコは1-0で勝利した。が、格下相手に試合をコントロールできず、攻めのぎこちなさや守備の脆さが、またもや露呈した。86分に与えたPKをGKヤン・オブラクが止めていなかったら、1-1の引き分けに終わっていたかもしれない。
優勝間違いなしの前半戦とは一転…
2位以下に圧倒的な差をつけてシーズン前半戦を終えたアトレティコが失速し始めたのは、1月の終わり。選手が次々に欠場した頃だった。
最初はマルコス・ジョレンテとのコンビネーションが冴えていた右SBのキーラン・トリッピアーだ。2019年の夏、自分がアトレティコへ移籍することを臭わせた相手がその後「移籍成立」に賭けていたことが問題視されて、長期出場停止を科されてしまった。
その後はマリオ・エルモソ、ヤニク・カラスコ、エクトル・エレーラ、トマス・レマル、ジョアン・フェリックス、ムサ・デンベレが新型コロナウイルスに感染した。
シメオネは、手を変え品を変えでチームパフォーマンスを保とうとしたが、誰かの穴を別の誰かで埋めると、そこがまた穴となり、攻撃のバランスが崩れ、守備も崩れて……。
現在、戦線離脱していた選手は全員戻ってきている。それなのに、チームが元通りにならないのはどうしたことか。