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「メッシがパリに来るのは実現可能」レオナルドSDが自信たっぷりに描くPSG最強化構想
text by
パスカル・フェレPascal Ferre
photograph byL’Équipe
posted2021/03/14 17:03
就任2戦目で初勝利を挙げたポチェッティーノ監督。PSGは現役時代3シーズンプレーした古巣にあたる
レオナルド 「説得」という言葉も好きじゃない。僕としては彼らが「PSGは野心を抱いたトップレベルの選手にとって過ごしやすいところだ」と確信するのを願うばかりだ。ふたりがここに来て3年半が過ぎた。クラブのことも、どんなプロジェクトを遂行しているかもよく分かっている。だからあとは彼らの望みや要求と、僕らの期待や手段をうまく一致させればいい。彼らに「頼むから残ってくれ」と哀願はしない。本当に残りたい者だけが残る。常に意見を交換しているから、ふたりに関して僕にはいい感触がある。
ムバッペは今、考えるべき時期を迎えている
――ムバッペが本気でPSGに長く腰を据えると思っていますか?
レオナルド 彼は今、考えるべき時期を迎えている。重大な決定を下さねばならないのだから当然だ。しかしキリアンは、PSGで素晴らしいキャリアを築くためのすべてを備えている。もともとパリの出身であるのに加え、知性も才能も人間性も申し分ない。彼が迷うことなど考えられない。今後の人生を大きく左右する決定を下すのはたしかに難しいが、これからの5年間に高いレベルを目指すために、PSG以上の強い野心と優れた手段を持っているクラブが他にあるだろうか。僕にはそうは思えないが……。
――理由はなぜですか?
レオナルド それはベースがすでにできあがっているからだ。僕らは構築途中のチームではない。ナバスはすでに34歳だが、世界最高のGKのひとりだ。彼は幾度となく試合を救い、それがもはや当たり前になっている。それだけ安定したGKが世界にどれだけいるのか! マルキーニョスはまだ26歳にもかかわらず、PSGで8シーズンを過ごし300試合出場を果たした。コンビを組むキンペンベはクラブの生え抜きで、すでに偉大な選手たちの仲間入りを果たしたといえる。
ベッラッティは9年目のシーズンを迎え、自身26個目となるタイトルを獲得した。彼と「マルキ」のふたりは、クラブへの忠誠心の象徴ともいえる選手だ。彼らの契約更改は難しくはない(微笑)。ふたりはこう言っている。『僕は残る。要はどんな条件でかを話し合うだけだ』と。ディマリアは6年目のシーズンを迎え、パリで引退したいと考えている。
そしてこのチームの屋台骨を支える最後のピースであるネイマール−ムバッペは、クラブ史上最高かつ最強のデュオだ。彼らふたりのようなコンビが、ひとつのクラブに並び立った例は他にあまりない。他にもイドリサ・ゲイェやフロレンツィ、エレーラ、ダニーロ、サラビア、イカルディ、ラフィーニャ……。PSGの陣容は、ヨーロッパのどのクラブにも引けを取らない。これだけの選手がいれば、どんなオプションでも採用できる。