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問題児デンベレがバルサ4年目にして覚醒? 「世界トップ3」になりえる両利きとスピードがついに覚醒か
posted2021/03/15 11:02
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
Getty Images
2017年の夏にドルトムントからバルセロナに加入したウスマン・デンベレは、1年目も2年目も昨シーズンも、ずっとクラブとサポーターを失望させてきた。
当時のクラブ記録である1億5000万ユーロ(約193億円)もの移籍金が払われたのに、ネイマールの穴を埋めるどころかケガばかり……。ピッチに立ってもパフォーマンスに波があり、成長は一向に感じられない。
開幕前にはローン移籍が決定的だったが……
練習遅刻など規律違反もしばしば起こし、チームの中で浮いているように見える。
今季開幕前にはマンチェスター・ユナイテッドへの買い取り権付きローン移籍が決まりかけていた。不成立に終わったのは、デンベレが納得できない条件をバルトメウ前会長下の役員会が土壇場で付け加えたからだとされている。
その不手際が後に、これほどまでにチームの利益になることになるとは誰が予想しただろう。実に4シーズン目にして、デンベレが真価を発揮し始めたからだ。
意識の変化⇒フィジカルの劇的改善
過去と比べて、今季の彼は何が違うのか。
まずは、体力面でもチーム作りの面でも非常に重要なプレシーズンとシーズン序盤を、問題なく過ごしたことが挙げられる。1年目は開幕後の移籍で、2年目はワールドカップでチーム合流が遅れ、3年目は開幕戦でいきなり負傷した。
また、自分の体に対する意識の変化もある。
クラブ関係者によると、今季のデンベレは決められた時刻に練習場に現れ、ジムに足を運んでは故障予防用のトレーニングや瞬発力強化メニュー等をしっかりとこなし、指示に従って休養もとっている。
また、アスリートのための食事作りを専門とするフランス人のシェフを雇い、上質のたんぱく質を野菜や果物(ベリー類)と組み合わせて摂取するよう努めているという。