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「彼のやり方は適切とはいえなかった」パリ・サンジェルマン、レオナルドSDが明かしたトゥヘル監督電撃解任の真相
text by
パスカル・フェレPascal Ferre
photograph byL’Équipe
posted2021/03/14 17:02
「貴公子」と呼ばれたレオナルドもはや51歳。PSGのスポーツディレクターの任に就くのは2度め
去年はコロナ禍による3カ月の活動停止の後、ふたつのカップ戦決勝に勝利し(フランスカップ決勝・対サンテティエンヌ、1−0。リーグカップ決勝・対リヨン、PK戦)、CLのファイナル8も戦った。その後すぐにリーグの新シーズンが始まった。
――あなたの現役時代には昨年12月23日(対ストラスブール戦。2020年の最終戦)のように、4対0で勝利した直後に監督が解任されたことがありましたか?
レオナルド 覚えている限りはないが……。トゥヘルの場合はサイクルの問題だった。わかって欲しいのは、彼と訴訟で争いたいわけじゃない。新たな刺激をチームに与えるにはあの瞬間が最善と判断したからだ。シーズン終わりの契約延長が難しいのは、彼も僕らも分かっていた。そこからどうすべきかを考えた。監督はある意味医者のようなもので、チームの状況に応じて様々な薬を処方する。だが、彼のやり方は、もはや適切とはいえなかった。一方、ポチェッティーノは、キャラクターや人間性の面でも、僕らが今やろうとしていることにより適応しやすかった。
誰かが道を外れたら、できるかぎり早く修復する
――そうはいってもCLでは今季もラウンド16進出を決め、リーグでも好位置につけている監督の突然の解任は、大きな衝撃を与えました。
レオナルド 彼はチームのためにいいことをたくさんやった。特に昨シーズンはそうで、他のシーズンはそこまでではなかったが、今はもうここにはいない。そしてサッカーでは、素早く事を為さねばならないときがある。僕らはそれをしただけだ。
――緊急に事を進めたのはどうしてですか?
レオナルド 恰好をつけるために監督を代えたわけじゃない。クラブが最優先であるのは理解すべきだ。監督もスポーティングディレクターもやがては去り、クラブだけが残る。僕らはここまで明快かつストレートな道のりをたどり、今後もその道から足を踏み外さないと決めた。誰であろうともだ。だから誰かが道を外れたら、できるかぎり早く道を修復するのが僕らの役目だ。外れた人間を道に戻すか、あるいは別の人間と交代するか。そうしないと問題が生じる。同じことは選手にもあてはまるし、そうであるからこそ組織は強くなれる。
――解雇の決定は誰が下したのですか?