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「彼のやり方は適切とはいえなかった」パリ・サンジェルマン、レオナルドSDが明かしたトゥヘル監督電撃解任の真相
text by
パスカル・フェレPascal Ferre
photograph byL’Équipe
posted2021/03/14 17:02
「貴公子」と呼ばれたレオナルドもはや51歳。PSGのスポーツディレクターの任に就くのは2度め
レオナルド このできごとに関するすべての解釈と、もっといえば世迷いごとを見る限り、それはとても重要なポイントだ。PSGのような組織で、ひとりの人物の気まぐれな決定で何かが進められると思うかい? トゥヘルを代えたのは、僕が彼の継続を望まなかったからで、激しい議論の末のことだったのか? それらは何の意味もない疑問で、真剣さにも欠ける……。僕が絶対にマッシミリアーノ・アッレグリを呼びたいからだと主張する以上の意味はない。
監督をどうするかはクラブにとって最重要で、コレクティブに考え抜いた末の決定だ。ナセル(・アルケライフィ)が会長に就任してもうすぐ10年がたつ。その間、彼はさまざまな経験を積み、現在の路線を推進するキーパーソンでもある。彼と議論を重ねた末に、同じ確信を抱くに至った。そうした考えのすり合わせこそがクラブ運営の基本だ。
気まぐれな決定はありえない
――あなたは今さっき世迷いごとと言いましたが、「ドーハの首長たちが主導する決定だった」というのもそのひとつですか?
レオナルド 僕はミランでも長く過ごしたが、シルビオ・ベルルスコーニに関しても同様の思い込みはあった。PSGもそこから逃れられない。ただ、どんな決定にせよ、気まぐれになされることは絶対にない。PSGはしっかりと構築されたプロフェッショナルな組織であり、長期的なビジョンのもとに有能な人材が働いている。その筆頭がナセルであり、彼はクラブを頂点に導くための明確なビジョンを持っている。
――あなた自身はこの種の決定を下すことへの躊躇いはありますか?
レオナルド 僕をよく知る人たちは、僕がPSGに戻ったのは「レオ、あれをやれ」とか「これをやってくれ」と言われて時間を過ごすためではないことを理解している。また「ドーハがこんな圧力をかけてきて……」といった類の噂に対してはこう言いたい。僕はすべての人たちに喜びを与えるために時間を費やしている甘ったれではないと。
ただ、首長たちとカタールが、このクラブのために多大な献身をしていることには大きな敬意を払っている。彼らとの関係は、彼らがPSGとサッカーへ抱く情熱とエモーションに基づくものだ。この関係を人々はまだあまり理解していない。QSI(カタール・スポーツ・インベスティメント)傘下のPSGが、リーグアンにどれだけの貢献をしたかはほんの少し考えればわかる。