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松元克央23歳、東京五輪200m自由形で金メダル候補! 名将も「久々にワクワク」のメリハリボディ
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKyodo News
posted2021/02/18 17:01
北島康介杯1分45秒13の日本新で優勝した松元克央。日本人選手が苦手としてきた男子200m自由形で頂点を目指す
1分44秒前半が金メダルの土俵に上がる条件
加えて、昨年10~11月にハンガリー・ブダペストで行なわれた競泳国際リーグ(ISL)があったのもプラスに働いたという。勝ち抜き戦による高額賞金大会ということで、世界の強豪たちが軒並み顔をそろえる中、試合を渇望していた松元は意気揚々と泳いだ。
鈴木コーチは、「世界のライバルである、(ダナス・)ラプシス(リトアニア)やダンカン・スコット(英国)らがいて、彼らと戦うことで気持ちが充実してきたのだと思う。帰国してほどなく日本選手権があり、気持ちがある程度高揚したまま冬場のトレーニングを迎えたことで、松元自身もモチベーションを下げずに、彼らと戦うという気持ちで練習できたのだと思う」と語っている。
鈴木コーチと松元は、東京五輪で頂点に立つためには1分44秒台前半が必要だと考えている。現在の自己ベストである1分45秒13から0秒7~8程度は縮めなければいけない計算だ。
青写真はもちろんある。前半の100mを50秒5前後で入り、後半の100mは日本記録を出したときの53秒95近くで泳げば、1分44秒台前半に滑り込める。前半のスピードアップは2月から3月にかけての長野・東御市合宿で取り組んでいるところだ。
「(1分)44秒前半ぐらいこないと金メダルの土俵に上がれないので、今、そういう実力をつけているところです。(1分)44秒台は時間の問題だと思います」と鈴木コーチは見ている。
五輪の延期にふてくされるのではなく
松元自身は、東京五輪が1年延期になり、緊急事態宣言で練習もままならない状況になった昨年の春から初夏にかけてはモチベーションの低下に悩んだという。しかし、そこで自分を見つめなおしたことがプラスに働いていると実感している。
「オリンピックが延期された時に、そこでふてくされるのではなく、何のために頑張るのかをしっかり考えられるような人間になりたいと思えた。それは気持ちの成長だと思っています」
4月の日本選手権。世界選手権銀メダルの時と比べて一回りも二回りも大きくなった松元は、どのようなタイムを出すだろうか。ワクワク感を持って注目したい。