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世界選手権で露見した
シンクロ日本の問題点。
~長期的戦略が欠けた理由とは?~
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTakao Fujita
posted2009/09/02 06:00
平均年齢が約20歳と若いチームは、技術点で厳しい評価を受けた
7月に行なわれた水泳世界選手権のシンクロナイズドスイミングで、日本は実施された7種目においてひとつもメダルを獲れずに終わった。
最初の種目、チームのテクニカルルーティンで5位に終わると、続く種目でも次々に表彰台を逃がす。意地をかけて臨んだ最終種目、チームのフリールーティンでも6位に終わり、ついにメダルはゼロ。1973年に世界選手権が始まって以来、必ずメダルを獲得、前回の'07年でも7種目中6種目で表彰台に上がるなど、「お家芸」とも言われた競技としては、あまりにも寂しい結果だ。
全般に感じられたのは、選手の動きがぴたりとそろう「同調性」の低さと表現の未熟さである。最初の種目で隊列が乱れたのを皮切りに、デュエット、チームともに選手それぞれがばらつく場面が見られた。また、余裕がないためか、表情や指先の動きにまで神経が行き届いていなかった感は否めない。