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松元克央23歳、東京五輪200m自由形で金メダル候補! 名将も「久々にワクワク」のメリハリボディ
posted2021/02/18 17:01
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Kyodo News
あの名伯楽が「久々にワクワクしている」と目を細めている。
競泳の歴史において日本と世界の差が大きかった男子200m自由形で、世界トップ争いの一角をなす松元克央(セントラルスポーツ)が、コロナ禍すらはねのけてさらに成長中だ。
2019年世界選手権男子200m自由形で、日本勢として世界選手権・五輪を通じて初のメダルとなる銀メダルを獲得。23歳の気鋭のスイマーは、昨年12月の日本選手権でこの種目の3連覇を達成した。
逆三角形の上半身がスタンダードである水泳選手の中でも、ひときわ目立つほどのメリハリボディの持ち主。分厚く幅広い胸板とキュッとくびれた胴囲を見れば、パワフルな泳ぎであるのが頷ける。
そして、指導する鈴木陽二コーチは、1988年ソウル五輪男子100m背泳ぎ金メダリストの鈴木大地を育てた名将。選手の心技体の状態を把握しながら本番で結果を出すための最適解を編み出す大ベテランだ。
北島康介カップの日本記録に「すごくうれしい」
金メダルの期待が弥増すばかりの松元が、「すごくうれしい」と破顔したのが、1月の北島康介カップだった。
スタートから50mを24秒35で入ると、その後はリードを徐々に広げる力強い泳ぎ。100m51秒18で折り返し、後半100mを53秒95で泳ぎ、1分45秒13の日本記録を出した。
従来の記録は自身が19年世界選手権で樹立した1分45秒22。とりわけ好感触だったのはラスト50mで、「ペースを上げようと思って上げたわけではないのですが、思った以上のラップが出た。いかに無駄な力を使わずにスピードを上げられるか、五輪本番でも参考になるレースができました」と目を輝かせた。
さらにこのようにも言った。
「年末年始のトレーニングで後半の持久力を強化したことが生きました。一年で最もたくさん泳ぐ冬場のトレーニングで一段階実力をつけているのかなと感じてます」
泳いで感じた手ごたえを言葉にして、自分の中にしっかりと落とし込んでいる様子だった。