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松元克央23歳、東京五輪200m自由形で金メダル候補! 名将も「久々にワクワク」のメリハリボディ
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byKyodo News
posted2021/02/18 17:01
北島康介杯1分45秒13の日本新で優勝した松元克央。日本人選手が苦手としてきた男子200m自由形で頂点を目指す
物足りなさが残ったジャパンオープンでは
記録を出したレースで手ごたえを感じるのはある意味当然として、記録が出なかったレースでもしっかりと収穫を得ている。
北島康介カップから2週間後の2月上旬にあったジャパンオープンでは、優勝こそしたがタイムは1分46秒82。狙っていた東京五輪派遣標準記録に届かなかったことも、物足りなさを感じさせた。しかし、原因ははっきりしていた。4月にある日本選手権に備えて追い込んだ練習をしている時期だったからだ。
「北島康介カップで日本新記録が出てる時点で、確実に実力はついていると証明できています。今回のタイムは良くないですが、これで自信がなくなるのではなく、それだけ練習をよく積めているのだなと思っています」
ポジティブな捉え方も松元の長所である。
久しぶりの頂点への挑戦にワクワクしている
それにしても、水泳に限らずオフシーズンのトレーニングはできればやりたくないと思うようなきついメニューが並ぶもの。特に五輪前年の練習は極限まで追い込む過酷なメニューで、一度やれば「もうたくさんだ」と思うような負荷だ。しかし、東京五輪を目指す選手たちは、これを2年連続で行なったことになる。
厳しい年末年始の練習で松元が意識していたのは、1年前の練習タイムを超えようということだった。「1年前のタイムを最低限でも超えていれば、必ず自己ベストは出る」という考えだったのだ。
実際、この期間の練習では1年前よりタイムが良く、それが確実な成長という手ごたえとなり、自信につながっていった。今では「理想の泳ぎに近づいてるのかな」と胸を張る。
これには鈴木コーチも同意する。
「松元本人の目標がハッキリしてるんだと思うんですね。やはり頂点に立ちたいという思いが強いから、きついときもしっかり練習できる。それに私自身にとっても、頂点に挑戦できるのは久方ぶりの体験。ワクワクしてる部分があります」
世界一の味を知る名将が胸を躍らせながら日々のトレーニングを指導しているのだから、松元にとっては心強いだろう。