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「何ビビってんだよ、お前」浦和MF武田英寿が戦っていた“恐怖”を振りほどけたワケ【2年目の飛躍】 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byMasashi Hara/Getty Images

posted2021/02/17 11:02

「何ビビってんだよ、お前」浦和MF武田英寿が戦っていた“恐怖”を振りほどけたワケ【2年目の飛躍】<Number Web> photograph by Masashi Hara/Getty Images

キャンプで好調を維持し、プレシーズンマッチでも結果を残しているMF武田英寿

 迎えたプロ2年目、その変化は前述の通りだ。1年間で築いた土台の上で躍動を見せている。

「ロドリゲス監督も最初に『楽しくやろう』と言っていましたし、実際に僕もすごく楽しめています。しっかりとボールをつなぎ、相手の立ち位置を見ながら、連動して崩していくサッカーは個人的にも好きですね。立ち位置を全員で共有することで、パスが出てくるタイミング、動き出すタイミング、味方がどこにいるのかが自然と分かるようになったので、次のプレーに対して余裕が持てる。自分がボールを受けた時に『あ、今フリーだ』と分かる時もあるので、自分に合っていると思っています」

 もちろん、レギュラーが保証されているわけではない。また試合に出られない時期もやってくるかもしれない。それでも武田の言葉からは昨年とは違う、エネルギーを感じる。

「常に自分にフォーカスを当てて、試合に出るために多くの人とコミュニケーションを取りながら学ぶ姿勢を持ち続ければ、トレーニング1つ1つで自分を出せるようになるんじゃないかなと思います。その上で自分はやれるという自信を持って取り組んでいきたいです」

リスクのある世界に飛び込んで

 止まない雨はない。プロの世界で必ず立ちはだかる壁にぶち当たり、それを乗り越え、そして今また次の新たな壁に立ち向かっている。再スタートではなく、これが本当のスタート。彼が浦和加入前に語っていた言葉を改めて見直して、そう強く感じた。

「チームを決める時、『もっと確実に出られるチームの方がいいんじゃないか』という声があったのも事実ですが、もう僕は他のチームは一切考えていなくて、レッズ一択で腹を括っていました。自分の将来像を考えたら、より高いステージに行きたいですし、A代表など世界で活躍したいと思っている。18歳の段階で厳しい競争がある、リスクがある世界に飛び込んで揉まれて、その上で試合に出て活躍できるような選手にならなければ、立てた目標なんて到底達成できないですから」

 ある意味、思い描いていた通りの1年目を経て、武田はどんな階段を駆け上がっていくか。しっかりと見守っていきたい。

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