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プロ野球外国人選手の60%弱が来日できず… 1人もキャンプに参加していない球団はどこ?【救済策は必要か】 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/02/16 11:01

プロ野球外国人選手の60%弱が来日できず… 1人もキャンプに参加していない球団はどこ?【救済策は必要か】<Number Web> photograph by Kyodo News

早々に合流している阪神のマルテ(左)とサンズ。節分時に“豆まき写真”に応じてくれるなどサービス精神旺盛だ

 台湾出身選手は楽天の宋家豪、王彦程(育成)、日本ハムの王伯融、阪神のチェン・ウェインと4人いるが、日本人選手扱いの巨人の陽岱鋼、西武の呉念庭とともに全員来日している。台湾は新型コロナを封じ込めた地域であるとされるが、このことが大きいと思われる。

 現時点では、外国人選手の来日状況は各球団で大きな差がある。

もし今の時点で開幕したとすれば……

 もし、この時点で開幕するとすれば、育成選手を除く71人の外国人選手のうち、何人が揃うことになるのか、球団ごとに数字を出してみた。カッコ内は支配下外国人数である。

 ◇パ・リーグ
 ソフトバンク 2人(8人)
 ロッテ 4人(5人)
 西武 1人(5人)
 楽天 2人(5人)
 日本ハム 1人(5人)
 オリックス 3人(5人)

 ◇セ・リーグ
 巨人 5人(8人)
 阪神 6人(8人)
 中日 2人(6人)
 DeNA 0人(5人)
 広島 4人(6人)
 ヤクルト 2人(5人)

DeNAは0人、西武、日本ハムもつらい

 NPBの外国人枠は4人で、投手、野手ともに最大3人となっている。ロッテ、巨人、阪神、広島は現時点での外国人枠を埋めることができる。選手個々の実力はともかく、頭数はそろっているのだ。一方でDeNAの外国人は0人、西武、日本ハムは1人だけである。

 外国人選手が即戦力で、チームの中核を担っている現状を考えれば――このことによる戦力格差はかなり大きいといえよう。

 これに関連して、セ・リーグ球団からは外国人選手を除くDH制の導入を求める提案があったという。しかし人種差別と受け取られかねないとして、この提案は却下された。

 戦力均衡を目指すなら、例えば開幕1カ月間は12球団揃って外国人登録の選手を出場させないことも考えられる(この場合、ソフトバンクのバレンティンは外国人枠を外れているので、処遇が問題になるが)。しかしその施策にも外国人差別という批判はついて回るだろう。

【次ページ】 昨季はロッテと阪神がコロナで戦力ダウン

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