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梶谷隆幸の“2面性”が巨人を救う? 合理主義者が骨折しても試合に出たワケ【澤村拓一とトレード話の過去も】 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySankei Shinbun

posted2021/01/23 11:02

梶谷隆幸の“2面性”が巨人を救う? 合理主義者が骨折しても試合に出たワケ【澤村拓一とトレード話の過去も】<Number Web> photograph by Sankei Shinbun

入団記者会見で満面の笑みを見せた梶谷

「他人の成績は天気と同じだなと思って」

「もちろん1番っていう打順を打ちたいですし、まずはそこを勝ち取りたい」

 梶谷もこう応える。

 ただ、そこで梶谷はあえて他の選手との競争を排除し、自分だけに集中するという道を選ぶ。

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「他人の成績は天気と同じだなと思って、僕は僕のやるべきことをやらないと、っていうことを思っている」

 DeNA時代に経験した苦い思いがあるから、梶谷はこう語る。

左手薬指を骨折しても強行出場

「過去にそれ(他人の行動やライバルの結果)に左右されて、自分がやるべきことが見えなくなったり、(ライバルを見過ぎて)気持ちの部分で浮き沈みすることがあった。だから(DeNA時代には)ファームにいるときは一軍の試合はほとんど観なかったんですよ」

 ライバルが活躍すれば心がざわつき、その心の揺らぎが、結果的には自分のパフォーマンスにも影を落とすことがあった。

「それから自分のやるべきことを明確に持って、そこに進むってやり方をずっとしてきた」

 あくまでマイペース。それが梶谷の野球に向き合う合理主義なのである。

 ただ、そんなマイペース風の梶谷だが、心の底に秘めたチームへの熱さを知るからこそ、古巣DeNAのファンは今回の別れを特に惜しんでいるという話を聞く。

 2016年のクライマックスシリーズ。梶谷はファーストステージで巨人・内海哲也投手から死球を受けて左手薬指を骨折。広島とのファイナルステージへの出場は難しいと言われていたが、患部を添木で固定して打席に立ち、グラブに穴を開けて負担を減らすなどして強行出場をした。

【次ページ】 折れた左手を必死に伸ばしてダイビングキャッチ

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