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梶谷隆幸の“2面性”が巨人を救う? 合理主義者が骨折しても試合に出たワケ【澤村拓一とトレード話の過去も】 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySankei Shinbun

posted2021/01/23 11:02

梶谷隆幸の“2面性”が巨人を救う? 合理主義者が骨折しても試合に出たワケ【澤村拓一とトレード話の過去も】<Number Web> photograph by Sankei Shinbun

入団記者会見で満面の笑みを見せた梶谷

自主トレを1人でやる理由とは?

 自宅から通える神奈川県内の施設で行っている自主トレーニングは、合理主義の梶谷が主役だ。この自主トレはいま流行りの若手を引き連れた“軍団”形式ではない。参加する野球選手は梶谷1人。そこに知り合いのトレーナーら少人数で練習を続けている。

「あるときから(大人数でやることが)しんどくなってきて、成績も落ちてきたときに、人にかまっている暇はない。とにかく自分のことだけ考えたいので、(自主トレは)1人でやりたいというのが強くなりました」

 1人自主トレの理由を梶谷本人はこう説明する。

 この自主トレでは例年に比べると、腹筋など小さな筋肉を鍛える時間やランニング量を増やすなどの変化をつけながら動いている。

「ケガをしないように、自分が弱かった部分だったり、今まで経験してここが足りないという体幹を重点的にやりたいなと思っています。(ウエートトレーニングで)大きい(負荷)のをガツガツ上げるというよりは、自分の体重を扱えることをメインにしていますね」

 自分のやりたいことをやりたいだけやれる。それが1人自主トレの合理性である。

ここ数年、ずっと獲得を狙っていた選手

 2月1日は東京ドームでキャンプインするS班でのスタート。6日からの沖縄キャンプに向けて準備を整えていく。その青写真に従って誰に気を使うことなく梶谷が巨人での最初のシーズンをスタートさせるための、この1人自主トレなのである。

 巨人との契約は4年総額8億円ともいわれる大型契約。入団会見では原辰徳監督から「1番・右翼」と大きな期待を寄せられている。

 それもそのはずで梶谷は、巨人にとってはここ数年、ずっと獲得を狙っていた選手という背景がある。

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梶谷隆幸
原辰徳
読売ジャイアンツ

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