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遠藤航は“替えのきかない主軸” いまブンデスで最も熱く、才能溢れるシュツットガルトでの重要任務とは
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2021/01/22 11:01
昇格組ながら前半戦は健闘が光ったシュツットガルト。若きタレント集団において、攻守の軸を担っているのが遠藤航だ
マタラッツォは現役引退後、育成指導者として活動。リハビリ・アスレチックトレーナーとしての職歴もあり、ライフキネティックの資格も持っている。ニュルンベルクの育成アカデミーではメンタル部門で働いていたこともあるという。
加えて、ドイツ語、英語、イタリア語に多少のスペイン語も操る。だから、選手たちにダイレクトにメッセージを伝えられる。そんなマタラッツォについてミスリンタートSDは「彼の持つ専門知識と社会性の組み合わせは、クラブにとって幸運でしかない」と絶大な信頼を口にしている。
不動のボランチとして君臨
そして、遠藤だ。試合を動かすことができる貴重な選手である。“起点となる動き”と表現されることがあるが、攻撃でも守備でも、自分たちにとってポジティブに働くプレーを連続して生むためには、自分のプレーが次にどんな展開へ広がるのか――という全体像が見えていなければならない。
そのためには試合全体の流れを適切に把握しながら状況を速やかに認知し、生じうる様々な選択肢を模索する。そして最適な決断を下しつつ、直前でキャンセルする可能性を残しながら正確でタイミングの良いプレーを繰り出す必要がある。
それをブンデスリーガのプレッシャーの中で、相手チームの研究がある中でも披露し、攻守の起点となっているのだから素晴らしい。
ミスリンタートSDが替えのきかない主軸として2024年まで契約を延長したのは、クラブの紛れもない期待の表れだし、オファーを受け入れた遠藤は、このクラブでもっとやるべきこと、やりたいことがあると信じているからではないだろうか。