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遠藤航は“替えのきかない主軸” いまブンデスで最も熱く、才能溢れるシュツットガルトでの重要任務とは
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph byGetty Images
posted2021/01/22 11:01
昇格組ながら前半戦は健闘が光ったシュツットガルト。若きタレント集団において、攻守の軸を担っているのが遠藤航だ
オーストリア代表FWサーシャ・カライジッチ(23)は2mの長身を活かした空中戦の強さに加え、育成年代にはトップ下でプレーしていたほど技術とチャンスメイク能力に優れる。そして、粗削りながら爆発的なスピードと屈強なフィジカルで相手を跳ね飛ばすコンゴ人FWサイラス・ワマンギトゥカ(21)は、ここまでチームトップの9ゴールを挙げて存在感を発揮している。
また、瞬発力とスピードでゴールへの道を作り出し、卓越したフィニッシュワークで得点を奪うアルゼンチン代表FWニコラス・ゴンサレス(22)。俊敏な身のこなしと鋭いドリブルでゴールに迫るフランス人FWタンギュイ・クリバリー(19)。さらには、守備を固める相手の隙をかぎ分けパスを引き出すアルゼンチン人MFマテオ・クリモビッツ(20)などが、恐れ知らずにゴールへ向けてチャレンジし続けるのだ。
若い選手にチャンスを与え、ダイナミックに
攻撃だけではない。遠藤とボランチを組むU-23ベルギー代表MFオレル・マンガラ(22)は守備範囲が広く、ボール奪取能力に優れるだけでなくボールを運べて、得点にも絡める。左SBのU-23クロアチア代表DFボルナ・ソサ(21)は、1対1の強さに加え、クロスの精度とバリエーションが豊富でアシストが多い。また194cmのスイス代表GKグレゴール・コベル(23)は、判断力に磨きがかかったことで1つひとつのプレー精度が格段にレベルアップしている。
若い選手にチャンスを与え、ワイルドでダイナミックなサッカーを展開する。そんなシュツットガルトのサッカーは見ていてワクワクするし、爽快だ。第17節終了時の32得点はリーグ3位タイで、その数字も高く評価されるべきだろう。
若き才能をまとめ上げる異色の指揮官
とはいえ、サッカーは勢いだけではうまくいかない。現在の成績は、チームに確かな戦術的な方向性を与え、優先順位を明確にし、それぞれの選手が自分のパフォーマンスをしっかりと出せるように導いているマタラッツォ監督の手腕があってこそだ。