欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
遠藤航は“替えのきかない主軸” いまブンデスで最も熱く、才能溢れるシュツットガルトでの重要任務とは
posted2021/01/22 11:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
新型コロナウイルスの影響で開幕が遅くなったため、今季のブンデスリーガは昨年12月中旬に行われた第13節終了後に冬休みに入った。シーズンは1月下旬にようやく折り返し地点となるわけだが、ここまでのシーズンで台風の目と言えるチームの1つが、遠藤航がプレーするシュツットガルトだ。
昇格組ながら17試合を終えて5勝7分5敗の10位と健闘(1月21日現在)。そして勝ち点22という数字以上に、そのプレースタイルが魅力的で、高い評価を受けている。
ドイツを席巻する「勇敢なフットボール」
「勇敢でオフェンシブなサッカー」
2019年12月、ペルグリノ・マタラッツォ監督は最初の会見で志向するサッカーに関してそうコメントした。当時はまだ無名で、ユリアン・ナーゲルスマン(現RBライプツィヒ監督)のアシスタントコーチという肩書はあったものの、プロクラブでの監督経験はゼロ。シュツットガルトが2部リーグで勝ち点を取り損ねる試合が続き、昇格が危うくなってきていた時期とあって、就任当初は疑心暗鬼だったファンも多かっただろう。
あれから1年が経ち、マタラッツォ監督への評価は明らかに変わった。ファンは実際にピッチ上で繰り広げられるサッカーを見て、どれだけ喜んでいることだろう。
シュツットガルトのファンは我慢強くない。記者席で試合を取材していると、少しでも攻め手を欠くだけですぐに焦れだす。横パスが続き、バックパスがGKに送られると厳しい罵声がスタジアム中に飛び交う。
後ろに座っているファンから蹴られるんじゃないかと、ひやひやものだ。