プレミアリーグの時間BACK NUMBER
CL首位通過と、プレミア降格危機。
レスターが直面する奇跡後の現実。
posted2016/12/17 07:00
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph by
Getty Images
このままでは残念な形で歴史に名を刻むことになる。
そう巷で言われながら、レスターはシーズン半ばの12月を迎えた。1992年に衣替えしたプレミアリーグとしては初めて、イングランドのトップリーグ史上でも79年ぶりに、優勝翌年の2部降格を実現してしまう危険性があるのだ。
第14節でも、降格候補のサンダーランドに1-2で敗れた。この時点での順位は、降格圏から勝ち点2しか離れていない16位。結果だけでなくピッチ内でも、降格候補とされてもおかしくない要素をあれこれと満たしていた。
羅列すると、主砲の不発とチャンスメーカーの低調、守備の綻び、戦力流出の影響と新戦力のインパクト不足、守護神の故障、そして疑問の残る監督の采配、である。
バーディー&マフレズの不調、埋まらないカンテの穴。
昨季は「蹴れば入るような気がする」と言っていたジェイミー・バーディーは、第15節のマンチェスター・シティ戦でハットトリックを決めたものの、リーグ戦では第4節リバプール戦を最後に得点はおろか枠内シュートすら打てない時期が続き、シティ戦前までは2得点にとどまっていた。
そのバーディーを抑えてプロサッカー選手協会(PFA)選定の年間最優秀選手賞に輝いたリヤド・マフレズにも、ドリブル突破が冴えた昨季の面影は見られずにいた。
そして失点数も、リーグで下から4番目の24失点。岡崎が「全てがハマるとはこういうことかと思った」と言うほど昨季のチームは機能していたが、そのキーマンだったエンゴロ・カンテを失ったのは大きかった。
「いかに重要でも1人抜けたぐらいで」という意見もあるが、カンテは昨季末のFWA投票で筆者も投票したプレミア最高のボールハンター。離脱のインパクトは「2年前にリバプールからバルセロナに去ったルイス・スアレス並み」とする、ジェイミー・キャラガーの意見に賛成だ。