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レジェンドOB中山雅史が磐田コーチ就任 「2人に負けないために…」意外過ぎる“ガムシャラプレー”誕生秘話 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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posted2021/01/21 11:01

レジェンドOB中山雅史が磐田コーチ就任 「2人に負けないために…」意外過ぎる“ガムシャラプレー”誕生秘話<Number Web> photograph by KYODO

ジュビロ磐田のレジェンドOB・中山雅史がコーチ就任へ

「今日は(演出した)ボールがきれい過ぎたね。中山さんには、ちょっと(タイミングが)ズレたくらいのボールがちょうどいいから(笑)。だけど、こっちがミスしたようなパスでもゴールを決める選手は中山さんくらいしかいない。そこが凄いし、天性だと思う」

 天才レフティーにそこまで言わせたプレースタイルは、子供の頃から変わらないと自身は言う。ならば、いったいどこがその起源なのだろうか。失礼ながら、ボールを追いかける場面はときに滑稽にも見えるプレースタイルだが、以前にその質問をぶつけたことがあった。

「負けず嫌いだったことは確か。それがプレースタイルにつながったとしたら、2人の姉とのケンカかな。2人に負けないためには、強くならないといけなかった。思いつくのはそれくらい」

 その負けず嫌いから生まれたプレースタイルで、3度のJ1王者に貢献し、歴代3位タイのJ1通算157得点を達成した。W杯にも2大会招集されるなど、現役時代に数々の記録を残したレジェンド中のレジェンドが、今度は指導者として一歩を踏み出したのだ。

レジェンドOBのコーチ就任に選手たちは……

 1月18日、磐田の始動日となったこの日、中山は指導者デビューを飾った。

 20人以上の地元メディアが注目するグラウンドに姿を現した中山は、当初は後輩選手たちの練習を静かに見守っていたが、30分ほど過ぎて体幹トレーニングに入ると、徐々に距離を詰めコミュニケーションを取り始めた。そして練習の合間に「いいね、いいね」「素晴らしいよ」と新コーチのやや高いトーンの声が聞こえ始めると、新加入の選手も加わって手探りの状況にも見えた練習場は一気に和やかなムードへと変わっていった。

 中山の現役時代を知る主将のDF大井健太郎は、「声をかけてもらって嬉しかったし、ゴンさんがチームの雰囲気を軽くしてくれるはず」と期待を口にすれば、MF山田大記も「自分がドイツでプレーしていた時に、ゴンさんが自分の経験からありがたいアドバイスをくれて気が楽になったことがあった。人柄もあり、1つひとつの言葉に重みを感じる。いろいろ勉強させてほしい」とレジェンドOBのコーチ就任を快く迎え入れた。

【次ページ】 「J2優勝での昇格」に向けて“託された任務”

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