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米報道で“日本帰国説”が出るワケ…田中将大と相思相愛ヤンキースの再契約を阻む「贅沢税」って?
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2021/01/18 17:02
田中将大はヤンキース入団から6年連続で2ケタ勝利、在籍7年で78勝をあげたが、いまだ去就は決まらず
そして、昨今の基準額は以下の通りだ。
18年 1億9700万ドル(約204億8800万円)
19年 2億600万ドル(約214億2400万円)
20年 2億800万ドル(約216億3200万円)
さらに厄介なのは超過額の問題。超過額が2000万ドル(約20億8000万円)から4000万ドル(約41億6000万円)までは、その部分にさらに12%が課税され、4000万ドルを超えると45%に増加される。
ヤンキースは2年連続で超過額が約2900万ドル(約30億1600万円)だった。推定税額は以下の通りになる。
2019年 2900万ドル×20%+900万ドル×12%=688万ドル(約7億1552万円)
2020年 2900万ドル×30%+900万ドル×12%=978万ドル(約10億1712万円)
今季は超過額が2000万ドルを超えるようなことがなくても、基準額を上回れば3年連続での超過となり税率は50%になる。コロナ禍の緊縮財政下では避けなければいけないことは明確であり、一度基準額を下回れば、来季はたとえ超過しても20%からで済む。かくして、今季はヤンキースでも基準額を下回らなければならないのだ。
残る予算1700万ドルをどう使うか
1月15日(日本時間16日)、メジャー6年未満の選手の年俸調停期限を迎え、ヤンキースはアーロン・ジャッジと1017万5000ドル(約10億5820万円)で調停を回避。その他、ゲーリー・サンチェス、グレーバー・トーレス、ジョーダン・モンゴメリーら調停を抱えていた若手10選手全員と契約を締結した。その結果、補強費に残ったお金は約3200万ドル(約33億2800万円)となり、第一優先事項だったD.J.ラメーヒューとの再契約に単年1500万ドル(約15億6000万円)の6年契約を費やした。
この時点で残る予算は1700万ドル(約17億6800万円)。米メディアによれば、田中サイドは単年で1500万ドルから2000万ドルを希望しており、一見予算内にも見えるが、田中との契約で持てる資金を全て使い果たすわけにもいかない。