JリーグPRESSBACK NUMBER
東京五輪世代の“ポリバレント”鈴木冬一がスイス移籍 「プロ3年目&五輪イヤー」に海外挑戦を決めた理由
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE
posted2020/12/23 17:01
スイススーパーリーグのローザンヌ・スポルトへ完全移籍を発表した鈴木冬一
オリンピックイヤーに始まる「海外挑戦」
プロ2年目の20年シーズンは、J1リーグ戦14試合の出場にとどまった。11月上旬に両側慢性扁桃腺炎による口蓋扁桃摘出術を受けたことなどから、10月中旬の試合を最後にピッチから遠ざかった。
「コンディションに問題はないですけど、試合に出られていないので、試合勘は明らかに薄れている。でも、ケガはないですし、体調も特に悪いところはないので、向こうへ行くまでもコンディションを落とさないようにできたらと思っています」
21年はオリンピックイヤーである。19年11月と12月に当時のU-22日本代表に招集された際には、「ここからはチームで試合に出て、どういうプレーを見せられるか。チャンスをつかむためには、チームで結果を残していかなければいけないと思う」と話していた。ローザンヌ合流を控えた現在も、「まずは自分がチームで活躍するという思いでやっている。五輪代表とかはあとからついてくるものだと思うので、自分のプレーをしっかりやって結果を出せるように頑張りたい」と、以前と変わらない思いを明かした。
スイスからのステップアップについて問われても、「まずはローザンヌで結果を残すために、全力で頑張りたい」と繰り返す。「プレミアリーグでやるのが小さい頃からの夢」と話したこともあるが、「海外へ行くという1つの目標を達成できた」からこそ、これから始まる新たなチャレンジに意識を注いでいるのだろう。
「着実に一歩ずつ階段を登っていって、そのスピードをちょっとずつ速くしていきたい」というのが、鈴木の考えるキャリアアップの手段なのだ。