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東京五輪世代の“ポリバレント”鈴木冬一がスイス移籍 「プロ3年目&五輪イヤー」に海外挑戦を決めた理由
posted2020/12/23 17:01
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE
東京五輪世代きってのポリバレントなプレーヤーが、ヨーロッパへ戦いの舞台を移す。湘南ベルマーレの鈴木冬一が、スイススーパーリーグのローザンヌ・スポルトへ完全移籍するのだ。
「海外には小さいころから行きたいと思っていましたし、話があるならば挑戦したいと思っていて、それが今回このタイミングで話がきたということで。ほぼ迷いもなく、ベルマーレが背中を押してくれたので、移籍をしようという決断に至りました」
昨年のU-20W杯で「向上心を強く引き出された」
19年に長崎総合科学大学附属高校から湘南入りした鈴木は、3バックなら左ウイングバック、4バックなら左サイドバックで起用されてきた。利き足である左足からのクロス、パンチ力のあるシュートを生かせるポジションだが、右サイドからカットインするプレーも得意だ。さらに言えば、ボランチやトップ下、2シャドーにも適応する。どのポジションでも一貫しているのは、アグレッシブな姿勢である。
キャリアの転換点のひとつに、19年5月から6月にかけて開催されたU-20ワールドカップがある。入団1年目のベルマーレで開幕直後から試合に絡み、21人のメンバーに滑り込んだのだった。
鈴木にとっては17年のU-17ワールドカップに続く世界大会だ。ベスト16での敗退には「悔しさがありました」と表情を険しくするが、まったく違う種類の感情も芽吹いた。
「U-17ワールドカップもそうでしたが、向上心を強く引き出された大会でした。U-17もベスト16で、その時はイングランドに負けたんですけど、その時対戦した選手がいまはもうプレミアリーグとかに出ている。そういう舞台に自分も行きたい、その思いがU-20ワールドカップに出てさらに強くなりました」
「僕が行くチームはけっこうシンプルで……」
スイスリーグの印象を問われると、すぐに具体的なイメージを明かした。新天地となるローザンヌ・スポルトの試合映像は、すでにチェックしている。