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「“殺してやる”と罵られても」「ジェフは酷いということか」オシムや悪童FW、年俸120円Jリーガーの本音<2020名言&珍言>
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byTakao Yamada/Takuya Sugiyama
posted2020/12/28 06:01
オシム、エメルソン……サッカー界それぞれの立場の人たちの言葉の重みを噛みしめたい
<名言4>
(ジェフについて)平凡で並というのはかなり酷いということだな(笑)。君らが平凡と言うときは、ゼロだということだ。表立って批判できないときにそう言う。皮肉な言い方だ。
(イビチャ・オシム/NumberWeb 2020年11月12日配信)https://number.bunshun.jp/articles/-/845803
◇解説◇
オシムは今もなお、日本サッカーに対する愛情を失っていない。
2020シーズン限りでの引退を発表した中村憲剛については「引退するなら彼のために何か別のスポーツを探してやるべきだ(笑)。日本サッカーにとって大きな損失だ。彼自身にとってもサッカーにとっても残念なことだ」、ガンバ大阪からジュビロ磐田に期限付き移籍した遠藤保仁にも「優れた選手で素晴らしい技術を備えたスターだった。彼にもよろしく伝えて欲しい。最後まで素晴らしいキャリアをまっとうして欲しい」と、オシムジャパン時代の“愛弟子”たちを慈しんでいる。
しかし、自らが指揮したジェフユナイテッド千葉については、少々趣が異なる。
2009年以来となるJ1昇格への戦線に加わることもできず、今やJ2でも2ケタ順位が”定位置”となってしまった。「それでジェフはどうなっているのか?」と旧知の記者に尋ねると、その記者が「ジェフは……、とても平凡です」とオブラートに包んだ表現にした。それをオシムはあっさりと看破し、このように続けたのだ。
「ときには真実を言わねばならないときもある。駄目ならば駄目だ、悪いものは悪いと。プレーが酷かったらそういうべきだ。うまくいっているチームもたくさんある。いいものはいいと言うべきであるのだから」
それでもオシムは、このようにも語っていた。
「(かつてジェフがホームタウンとした)市原は小さな街だ。今は2つのスタジアムを使うことができる。大きな進歩だ。市原にひとつ、千葉にもひとつ。特に千葉のスタジアム(フクダ電子アリーナ)は素晴らしい」
遠くオーストリア・グラーツの地で“御大”オシムは厳しくも、やっぱりジェフを愛しているのである。
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